「土壁」。
我が国の伝統建築には欠かせない素材です。
(c) tantan|ストック写真 PIXTA
土だけをこねて塗るのではなく
ワラを切り入れて寝かすことで、ワラが発酵して粘り成分を出したり
ワラがほぐれて繊維が細かくなり“つなぎ”としての効果が高まったり…と
土とワラで「造る」ものなのです。
発酵中のワラ
そうして出来上がった土は
時にはそのまま「仕上げ」として。
また時には漆喰の下地材としての役割を果たします。
ところが、今回大問題が発生。
放射能に汚染されたワラによる牛肉や肥料の問題で…
デマが流れていたようです。
左官に用いるワラ。
「ワラ?」として流通しているのですが…
それが放射能で汚染されているのではないか?と
それがなぜか西日本で刈り取られ加工されたワラについて…
関係者が調べたところ、そのデマの発端はコレ。
「米袋」です。
「袋」に関連した業界にいなければ分からない話なのかもしれませんが
米袋や農業飼料の紙袋、けっこう「アウトレット品」が流通しているのです。
生産地や生産時期、製造番号などが書かれた紙袋は
その「時期」が過ぎると正規の使い方ができません。
それらを「入れ物」として様々な業種で使っています。
そして今回の福島や茨城…東北地方の米袋印刷の一大拠点でもあるのです。
そこで印刷され「不要になった」米袋。
さすがに今年の不用品は流通していませんね。
ですから数年前のモノが大量に西日本で使われている現実があります。
そこに端を発したデマであったようです。
頭ごなしに決めつけてはいけませんね。
それが大丈夫なものかどうか?良識において確認しましよう。