様々なメディアを見ていると、「漆喰は石膏(せっこう)を主原料として…」との説明があるようです。
違います。
これまで説明してきた通り、漆喰は消石灰を主原料としています。
と、いうわけで、今日は石膏と石灰の違いについてQ&A。
石膏と消石灰って同じもの?
違うものです。石膏は硫酸カルシウム、消石灰は水酸化カルシウムです。
「カルシウムだから同じじゃないの?」という方もいらっしゃいますね。
化学的にも性質は全く異なるものなのです。
石膏と漆喰の違いは?
先に述べた物性的な違いがそのまま硬化に現れます。
石膏には数種類のものがありますが、ギプスや石膏塗り材として使われるのは「半水石膏」というもの。それに水を加えると反応して「二水石膏」として固まります。
漆喰は塗ったものが乾いたあと、水酸化カルシウム(消石灰)が大気中の二酸化炭素を吸収しながら炭酸カルシウムへと変化するコトで硬化します。
化学物質の名前が出てくると分かりにくいですよね?
なので、建築用語としてのコトバの意味からアプローチしてみましょう。
プラスター | 主に石膏を意味しています。本来の英語の意味は様々あります(後述) |
ドロマイトプラスター | ドロマイト(炭酸マグネシウムと炭酸カルシウムからなる鉱物)を主成分とした漆喰の仲間です。保水性や粘性に富み、糊を加える必要がありません。 |
石膏プラスター | 主に石膏を主原料とした下地材をさします。せっこうボードメーカー各社が自社のせっこうボード専用の下地材として販売しています。 |
プラスターボード せっこうボード | せっこうを芯材として両面をボード用原紙で被覆し、板状に成形したものです。 分かりやすい商品としてはタ*ガーボードなど。住宅に限らず多くの建築物の内装下地板として用いられています。 |
日*プラスター | 栃木県にある漆喰やドロマイトプラスターのメーカーさんです。ホームセンターのDIY漆喰でもお馴染みです。 |
なんとなく、お分かりいただけたでしょうか?
そもそもの混乱の理由は「プラスター」という言葉。
英語で plaster は漆喰も石膏もバンソウコウも意味するのです。混乱するわけですよね。