最近、「漆喰塗料」「漆喰ペイント」という言葉を耳にします。
10年くらい前からでしょうか、「石灰クリーム」というものが販売され始めました。
昔から職人さんが作っていた生石灰クリームの要領で
DIYでも塗りやすいようにアレンジされた漆喰の仲間です。
いい材料ですよ。変なモンは混ぜていないようですし。
さて、本題の「漆喰塗料」というものが出てきたのは
この5年くらいでしょうか?
それまでは「漆喰調塗料」「漆喰風の仕上がり」という
分類のものはありましたが…。
(c) 極楽蜻蛉|写真素材 PIXTA
では 漆喰塗料、漆喰ペイントとは何か?
私なりの答えです。
「成分に消石灰を含み、吸放湿などの機能をもった樹脂混合品」
石灰が固まるのが漆喰。油(樹脂)が固まるのが塗料ですから、
「樹脂で固めておいて、後から石灰も固まる」
のが漆喰ペイントというべきでしょう。
ですがここで、左官材料と塗料におけるダークな部分。
漆喰に樹脂を入れちゃ駄目っていう決まりが無いのです。
塗料も同様です。
セラミック塗料って良く耳にしますね。
セラミックとは陶器など焼いたモノを指しますよね?
塗って乾いてセラミックになる…わけないです。
実際にはシリコンが入っている塗料がそう呼ばれているだけのようです。
問題は、そのシリコンが例え0.1%だったとしても、
それをシリコン樹脂塗料と呼べる我が国の規制にあります。
珪藻土の左官材も、珪藻土の配合量に決まりはありません。
塗料と同様、ほんの微量入っていても「珪藻土(入り)壁材」として売ってます。
…だから、そのへんに売ってる水系塗料にちょこっと石灰入れたら?
そう。漆喰塗料と呼んでもイイんです!
実際にはそうウマく作れませんですけど、簡単に言えばそんなモンです。
じゃ、昔からのほんまもんの漆喰は?
本漆喰と呼べるのは、糊を炊いて、麻すさと塩焼き消石灰を練りこんだだけのもの。
消石灰の割合は90%を超えます。
石灰を練ったカタマリが割れないように海藻と麻を入れるのです。
技術の革新ですしょうか…?
補助材として樹脂を入れると接着力が増しますし、セメント混ぜても強くなる。
様々な「漆喰製品」が世にあふれています。
漆喰だけでなく、建築材料を選ぶときは、「決まりが無い」ことを意識してください。
ちなみに
ちゃんと糊炊いて、ちゃんと作った漆喰の製法
わずかですがまだ各地に残り続けています。