前が四角く、後ろが円い。
前方後円墳(ぜんぽうこうえんふん)という古墳です。
古墳というものは、歴史の教科書などで習うわけなのですが、
あまり身近なものに感じられませんね。
ところが、実は日本のあちこちにみられるものなのです。
一般に豪族とよばれたような有力者の墓とされていますね。
飛鳥時代の前、ヤマト政権があったころには
ごく普通の貴人の「お墓」だったわけですね。
で、この古墳、どうやって出来ているか…
近くで見てみましょう。
以外に「ただ土が盛られているだけではない」ことが分かりますね。
しっかりと突き固められた土の上に
噴き石と呼ばれるコブシ大の石をびっしりと並べているのです。
でも、よく考えてみましょう。
ただ土を突き固めただけでは、大雨などで流れて壊れてしまいます。
ということはその対策が必要なのです。
実は古墳からは「石灰」の利用が確認されています。
また、有名な古墳壁画の下地は漆喰であったとも。
既に大陸から石灰を作る技術がやって来ていたのですね。
土に骨材や繊維、石灰などを入れて突き固める。
左官でいう三和土(たたき)や版築(はんちく)の技法が既に用いられていたのです。
今でも土木工事で土の強度を高める際に石灰が使われているのです。
私たちと石灰のオツキアイには千年を越える歴史があるのですね。
ちなみに今回ご紹介した古墳は宮崎県の生目古墳群5号古墳。
平成の世に当時の技法で復元された、珍しい古墳です。