昨日までの説明で、漆喰の原料について少し知ったところで…
今日は漆喰と塗料(ペンキ)の違いについて説明しましょう。
(分かりやすいように、漆喰については青、塗料については赤で記載します。)
実は建築関係の専門家でもこれがちゃんと説明できる人、案外少ないのです。
その違いを説明するために知らなければいけないのがその中身。しっかり分かりやすく説明します。
塗料の配合は大きく4つ。
- 樹脂 ;名前の通り、油です。乾いた後、膜になる成分。
- 顔料 ;色を付けたり、厚みを付けるための粉。
- 溶剤 ;上の2つを溶かすための液体。シンナーや水。
- 添加剤 ;塗りやすくしたり、品質を安定させたりさせるためのもの。
これらが混ざり合ったものを塗ると、乾いた後には色の粉が混ざった油の膜が残りますね。これが塗料です。
漆喰の配合も大きく4つ。
- 石灰 ;9割以上が石灰分です。
- 麻すさ ;石灰の収縮や外力からのひび割れ防止のつなぎ材。
- 海藻のり ;作業中の保水性や材料の粘性の調整。
- 水 ;上の3つを混ぜるためのもの。石灰の硬化促進。
漆喰を塗ると水が蒸発した後、ほぼ石灰のカタマリになるわけです。そして、石灰は空気中の二酸化炭素を吸いながら、長い時間をかけて硬化するのです。だから、塗って乾いた直後は、固まっていません。塗って1年ほど経ってから、ヒビや隙間が出来たりするのもこれが原因です。
なんとなく分かりましたか?
塗料は樹脂(油)を塗るもの。
漆喰は石灰を塗るもの。
だから、
塗料は塗って硬化した後が最も強く、
漆喰は時間が経てば経つほど強くなるのです。
塗料は油の膜ですから、水を通しませんが
漆喰は粉のカタマリですから水や空気を通しやすい。
塗料は樹脂の違いで性能が変わりますが
漆喰は石灰なので性能は昔から変わらない。
と、云うわけです。
でも、最近、漆喰風の塗料や樹脂入りの漆喰など多種多様になっていますね。
選択は皆様の自由です。