漆喰とは?

漆喰(しっくい)とは?

お城やお寺、民家、蔵などで見られる、古くからの左官材料です。
 

漆喰ってなぜこの字を書くの?

石灰を表す唐音(鎌倉以降に中国から入ってきた発音)の「シックイ」の当て字という説が有力なようです。もともとは「石灰」と書いてシックイと読んでたということですね。

ちなみに「漆を喰う」と書きますが、漆の主成分はウルシオール。それは耐アルカリ性に優れているはずですから、喰われない…ハズです。

漆喰はなぜ白いの?


漆喰は石灰に、植物の繊維、そして海藻ののりを加えて作るから。
主原料の石灰の白い色が漆喰の色なのです。



ニッポンの漆喰はどのくらい昔から使われていたの?

おおむね仏教伝来と同時期に大陸から伝わったであろうという説が有力なようです。だから1300年くらい前。
そのころから古墳や平城京などの建築物にも漆喰が使われていたのです。
 

漆喰は何百年も丈夫なまま?

雨水で石に穴が空いてしまうように、傷まない素材はありません。1000年を越えて保存されている壁画は、空気や人の手に触れることはありませんでしたし、お城やお寺などは、常に補修工事が行われながら、数十年に一度くらいのペースでちゃんと大改修も行われてきたのです。

どうやって使われるの?

左官職人さんや屋根職人さんが鏝(こて)という道具を使って塗ります。


優れた左官さんは、平らに仕上げるだけでなく、様々な模様、細工の技術を持っています。さらには、顔が映るくらい表面をキレイにする「磨き」という仕上げ技術を持っているのです。

でも、最も難しいのは「あたりまえのことを狂いなく仕上げる」ことだそうです。左官さんの世界、大変奥が深いものですね。

どんな種類があるの?

大きく分けて5種類あります。

本漆喰

左官さんが海藻を炊いてのりを作り、苆(すさ)と塩焼き消石灰とをこね合わせたもの。メーカーなどの「製品」は本漆喰とは呼びません。

土佐漆喰

3か月以上発酵させたワラと消石灰を合わせ、更に熟成されてつくられるもの。粉状のものは土佐漆喰とは呼びません。

既調合漆喰

国内で最も多く使われている漆喰です。基本的に土佐漆喰を除く全てのメーカー製品はコレに該当します。

琉球漆喰

ワラと生石灰から作られる漆喰。土佐漆喰とは作り方が違います。沖縄で昔から使われている独特の漆喰です。

漆喰と呼べるのか判断が難しいもの

しっくい、漆喰、シックイと名のつく製品が市場には溢れています。どこまで漆喰と呼べるのか分からない中、特に判別が難しいモノ。あえてコレには触れません。

※この5分類、wikipediaの「漆喰」にも投稿しました。分類方法についてのご意見、お待ちしています。