今年も各地へお邪魔した一般社団法人伝統素材伝承支援協会。
長いので、皆さん「でんでん協会」と呼んでいます。
ほとんどの方が何の協会なのか分からないですね。年末、改めて紹介します。
でんでん協会の役割はその名の通り、
「伝統素材にたずさわる方々の支援を行う」ことです。
活動の理念は4つの言葉。
- 伝統素材を守ることは伝統技術を守ること。
- 伝統技術を守ることは古民家を守ること。
- 古民家を守ることは左官文化を守ること。
- 左官文化を守ることは伝統素材を守ること。
その原料を生産している方々がいて
さらにその素材に手をかけ加工している方々がいるのです。
その方々の支援も大切なコトだと考えています。
そのために各地を訪問して現状を学び、それを皆さんへ紹介する活動も行っています。
あるところでは「文化財の工事があるから大丈夫じゃないの?」と言われることがあります。
残念ながら、それは「間違った考え」です。
建築だけに限らず、私たちの生活を支える素材は「身近にある当たり前のモノ」だったハズです。
ところがすでに当たり前のモノは無くなってしまっているんです。
例えばワラ。
- 屋根を葺く材料に。
- 土壁に練り込んですさに。
- 畳の床(とこ)に。
それとも農薬が残っていても良いのですか?
大規模散布用に使われるラジコンヘリ
そうなんです。様々な素材が失われつつあるんです。
さらに深刻なのはそれを生産する方々、そして加工する方々の人材難。
分かりやすい例を挙げれば林業です。
樹は放っておいて真っ直ぐな柱に出来るものには育ちません。
林業にたずさわる方が山に手を入れることで良い木が育っていましたが…
後継者が不足する現在、荒れる山が増えています。
かつて私たちが暮らす周囲には、里山と呼ばれる人の手が入った山がありました。
それらが荒廃することが、土砂崩れや水不足を招いている原因の一つでもあります。
理由は簡単なコト。
国産の木を使わないから。山にあるものを利用しないから。
私もまだまだ勉強中の身ではありますが、
私が学んだコト、これからももっとお伝えしていきますね。
当たり前に有ったものが当たり前に残っているように。
それが美しい未来だと思います。
明日からは年末年始恒例、怒涛のおさらいシリーズです。
どうぞお楽しみください。