今日は「漆喰の原材料について」。
漆喰と呼ばれるものにはいろいろな種類がありますが…
最も使われているのが「既調合漆喰」。
その名の通り、既に調合が出来ている漆喰。
そのまま水で練るだけで使えるので、便利ですよね?!
昭和40年代あたりから、全国の石灰会社が製造を始めました。
現在では、
- 本格的な炊き糊を使ったもの
- 既に練っているもの、
- 海藻の代わりに合成樹脂を使っているもの
既調合漆喰をわかりやすく説明すると「メーカー製の漆喰」。
文化財などで伝統製法を守って作られている「本漆喰」も、厳密に言えばメーカーで作ってしまうと「既調合漆喰」にあたります。
では、メーカーはどんな漆喰をつくっているのか?
メーカー製の漆喰はほとんどが粉末タイプの「水で練って使う」もの。
日本古来の本漆喰は、海藻のりは炊いて作るのが伝統でしたが、原料海藻を加工して粉末化したものを混入して水で練ることでそれが溶け、のりとなるものが主流です。
しかし昔からの漆喰、原料の基本は変わりません。
消石灰 と
麻すさ と
粉末海藻のり
これら3つを混ぜ合わせると基本的なメーカー製漆喰の出来上がり!
…といいたいところですが、ココからさらに様々なものが添加されます。
例えば、天然海藻は不安定なもの。
原料が常に一定ではないため、作るたびに性状が変わります。
だから、水溶性樹脂などを加え、接着と粘り、保水などを安定させるのです。
また、主原料の消石灰の純度が高すぎる場合には、元々の石灰石の粉(炭酸カルシウム)を混ぜて、その収縮などを緩和します。
「漆喰は天然素材だから安全」
だと思っている方、もうアナタの常識は通用しません。
食品と同様、しっかり現状を研究しないとオカシナ製品を選ぶことになります。
これらの原料、それぞれについておさらいを続けましょうね。
明日以降も引き続き原料のオハナシです。