石灰が出来るまでをよ~く見てほしい

2013/12/11

伝統素材

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漆喰には本漆喰、琉球漆喰に土佐漆喰。さまざまな漆喰がありますが、共通しているのは原料。「漆喰」の主成分は消石灰なんです。

漆喰はそのほとんどが消石灰から出来ています。
ではその石灰をどうやって作るのか?今日はその作り方を説明しながらおさらいです。


これが出来上がった「消石灰」。


まずは石灰石を用意します。大きさは大人のコブシくらいですね。


石灰石は石灰岩の鉱山から。
もともとそのほとんどが海の底だった日本。各地に石灰鉱山があるんです。

まずはダイナマイトでド~ンと。その後、焼きやすいサイズに砕かれます。


まずは石灰石を焼くのですが…

「焼く」には燃料が必要ですね?左官に使われる石灰を造る際には石炭やコークスが使われています。


石灰石と燃料とを交互に窯(かま)に投入して焼いていきます。
窯は江戸時代あたりから伝えられている「土中釜」というものが使われます。

石を焼く温度は800度から1000度くらいです。


そして焼く時に忘れてはならないのが「塩」です。
塩を加えることで石灰石が収縮しにくくなるほか、還元効率が高くなるのと不純物を取り除くことができます。

石と燃料そして塩を何層にも重ね、竪穴状の窯の中で自然通気でゆっくりゆっくり焼くんです。


3日ほど経って、焼成熱も冷めたところで取り出します。
焼けた石は白くなりましたね。これが「生石灰(きせっかい)」です。


さて焼いた後、今度は水を使います。生石灰に水をかけると…あーら不思議。高熱を出しながら壊れていきます。水と反応して化学変化を起こしているんですね。


実際の反応の姿はこんなカンジ。


こうして出来上がったのが「塩焼き消石灰」というものです。

実は石灰は我が国で自給されている数少ない鉱物です。

全国ほとんどの都道府県で産出され、生産されているのですが、左官用に作られているこの「塩焼き石灰」の生産は国内数か所、ごくわずかの量です。

残念ながら全国各地で工業的に大量に生産されている石灰は、漆喰には不向きなのです。

ただ石を焼けば原料が出来上がるわけではないのですね。

昔から伝わる「塩焼き」の技法が必要。
これも大切に守っていかねばならない伝統素材の一つです。