と、いうわけで今日は漆喰の主原料である石灰石のおさらい。
世界じゅうの写真リンクを多用して、写真で見る世界旅行です。
歴史的建造物を見ると様々な場所に「石」が使われていますね?!
先だって、約20年ぶりに、もとの傾きに調整されたことでも注目された「斜塔」。
ガリレオの実験でも有名なピサの斜塔は、大理石で作られています。
pisa / MadeByMark
西洋に限らず、石で造られた建物にはこの大理石が多用されています。
ピサと同じイタリアで有名なコロッセオも大理石。
Colosseum / chrisparkeruk
ギリシアのパルテノン神殿も
Parthenon / K_Dafalias
インドのタージマハルも大理石。
Taj Mahal / rachel in wonderland
この「大理石」ですが、岩石学上は「結晶質石灰岩」というもの。つまり石灰岩なのです。
石灰岩がマグマの熱で変性して結晶質が出来上がったもの。最近、建材としてよく使われているビアンコカラーラも大理石ですよね。ちなみに大理石の「大理」は、中国の大理がその石材の産地であることからつけられた名前です。
大理古城 / hammercem
だから、建築の歴史は石灰利用の歴史といっても過言ではありませんよね?
ピラミッドも石灰岩、我が国のお城は石灰を原料とした漆喰塗り。さらに古代のお墓とされる古墳も土に石灰を混ぜ固く突き固められています。
では、その石灰岩はどうやってつくられたのか?
実は、太古の海に積もったサンゴや原虫の化石。
Great Barrier Reef Australia / Christian Haugen
元々海であったところが隆起して出来上がった山、それが鉱山になっているのです。石灰が採れるところ、それは海の底であった証です。
驚くことに世界最高峰、エベレストでも石灰岩が見られます。
Tibet Mount Everest / Göran (Kartläsarn)
大陸移動の説によれば、はるか昔インド亜大陸とマダガスカル島が分離し、ユーラシア大陸にぶつかって出来上がったものなのだそうです。だから、海の底にあったものが見られるわけですね。
石灰の歴史は建築の歴史。そして地球の歴史の一つでもあります。
それを利用して作られたのが「漆喰」。
歴史を壁に塗り、新たな歴史を創っていくロマンあふれる素材です。