石灰と 地質と

2013/09/22

伝統素材

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沖縄出張の中、やっと資料が揃いましたので紹介します。

漆喰にとっては切っても切れない素材、石灰岩についてです。

 


 

 

まずは先日も紹介した今帰仁城跡から。

実はこの今帰仁城跡、は世界遺産を構成する他の城や史跡と、全く異なる特徴があったんです。

 

それは…築かれた石垣の「岩」が全く違うということ。

 

どちらも基本的には炭酸カルシウムを主体としていますが、石灰岩としての種類が、地質年代が全く違うんです。

photo;座喜味城跡

 

今帰仁城の石垣に組まれている石灰岩は、本部層とよばれる古生代のペルム紀のものから、今帰仁層とよばれる中生代の三畳紀のものとされています。年代にして、およそ2億9千9百万年前から2億1千200万年前の、はるか昔に生きていたサンゴや原虫と呼ばれる海の生き物の死がいが堆積して出来たものです。

名が付けられている通り、それだけ古い石灰岩の層は本部と今帰仁、それぞれの地域にしか無いんですね。

沖縄本島の地質図(沖縄県教育委員会のホームページより)

http://www.pref.okinawa.jp/edu/bunkazai/bunkakesho/chosa/maizo/shuho/documents/z006.pdf

 

ちなみにこれが、ワタシの出身である津久見市で産出された石灰岩。地質年代はほぼ同時期のものです。

 

そして、こちらが、他の城跡や史跡に使われている岩石。

沖縄の土地の3割を占めているといわれている「琉球石灰岩」。新生代の更新世、およそ258万年前から1万年前の地層とされています。沖縄がサンゴ礁の島であることを顕著に表しているものですね。

 

沖縄で目にする石垣、石畳、そして漆喰、おそらく皆さんが思っている以上に「面白いコト」が隠されています。それが文化だけでなく産業や暮らしにも影響をしているわけですから。

それらを感じるために、「観に行く」のも意義のあることですよね?!