日差しが漆喰になるオハナシ

2013/07/27

伝統素材

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猛暑。暑い空気が身を包み、日差しの名の通り、刺すような紫外線が痛いですね。

いよいよ夏本番です。

 

でも、夏の日差しは迷惑だけじゃないんです。日光からうける恩恵もたくさんあるんですよ。

 

中でも植物の光合成にはどれだけの恩恵をうけていることでしょう。

と、いうわけで今日も光合成のおさらい。

 


 

植物は光の力で

 二酸化炭素と水から 酸素と炭水化物を つくっています。

 

その作用のことを「光合成」と呼びます。

 

「炭水化物」というのはデンプンや糖などですね。植物の成長のエネルギー源になり、細胞を造ったり、種や実を造るわけです。

八百屋さんに並ぶみずみずしい野菜や果物。これら全てが植物の光合成で出来上がったものなんです。

 

甘ーい果物も、シャキシャキした葉っぱも、ホクホクした根菜も、全て植物の光合成で造られたもの。ありがたい恩恵ですね。

さて、酸素が発生する光合成を化学式にすると

 

 12H2O+6CO2→C6H12O6+6O2+6H2O

 

H2Oは水。CO2は二酸化炭素。O2は酸素です。

 

水と二酸化炭素を分解すると…炭素を自分の体に取り込み、酸素を吐くわけです。

 

同じ化学式でもう一度。

 12H2O+6CO2→C6H12O6+6O2+6H2O

 

「植物は炭素を固定する」といわれている理由はこれなんです。

森や林の樹木が伐採され、木材として使われている限り、木に貯められた炭素が出てくることはありません。

 

石炭ってご存知ですよね?

石炭は…太古の木の化石だって習いませんでしたか?

Coal anthracite/wikipedia

 

昔むかしの木が化石になって、炭のカタマリとして燃料になっているんです。 

 

 

さて、光合成が行われているのは陸の上だけではありませんね。

海にも植物、つまり海藻が生えています。実は海の中でも光合成が行われているのです。 

 

漆喰の原料となる石灰石。

太古の昔にサンゴやプランクトンなどの死がいが堆積して出来上がったものです。

 

そしてコレが造礁サンゴの死がい。 サンゴは「動物」ですから光合成はしません。

実は、サンゴには褐虫藻という海藻が共生しているんです。その海藻が光合成をすることでサンゴに栄養を与えています。

 

だから石灰岩は炭素とカルシウムのカタマリ

 

化学式で見てもそうなんです。

石灰岩は炭酸カルシウム =CaO3 です。

 

漆喰の原料となるのはそこから二酸化炭素が抜け、水と反応させた後の

水酸化カルシウム =Ca(OH)2

 

それが長い年月をかけて二酸化炭素を取り入れることで

元の炭酸カルシウム =CaO3 へと変化していきます。

 

自然の中に人為的に造られたサイクルですが、どうでしょう?

 

 自然と共生している気持になれませんか?

 

それが伝統素材である漆喰の魅力の一つだと思います。 

光合成がもたらした様々な恩恵、これからも大切にしていかねばなりませんね。