今日は左官さん、そして関連業界の皆さんにメッセージ。
震災の被害の大きかった三陸。
そこは左官に使われる「三陸角叉」の産地でもあります。
岩手、宮城、青森の沿岸はご存知の通り津波の大被害を被りました。
磯は荒れ、「今年の角叉」は期待できないと思っても良いです。
海藻に詳しい左官関係の方々ならお分かりのことでしょう。
さて、地震から半年以上が過ぎて
いまだにおかしなデマが流れています。
「海藻買うとかんと、漆喰が作れん」
「どっかが買占めようとしとる」
ちょっと待った!
(c) yanmo|写真素材 PIXTA
「買占め」など無駄ですよ。
特に関西では、特に無駄。
左官業界で最も多く使われている海藻は「銀杏草」。
メーカー製の漆喰に使われているのも9割以上が銀杏草。
粉ぎんなん、粉つのまたとして売られているものもほとんどが銀杏草です。
また、関西で「つのまた」と呼ばれている海藻も実際には銀杏草がほとんどです。
なぜか関西圏では「角叉が成長したものが銀杏草」という勘違いがあります。
本当は全く違うものなのです。
ほら、ポリ袋に入っていても全く違う。
銀杏草が採られているのは青森、北海道、そして韓国など。
被害があったのはその一部ですね。
また、韓国産の銀杏草…モノによっては国産品より良かったりします。
もうひとつ、理解しておかなきゃいけないのは
今年採った海藻が使えるようになるのは早くとも来年の夏以降だということ。
…寝かさないと使えないんです。
今年左官の皆さんがつかう海藻は種類に関係なく去年よりも前のもの。
すぐに不足する恐れはまったくありません。
最高級とされる「黒葉銀杏草」は3年熟成じゃないですか。
と、いうわけで左官につかう海藻のり、心配ありません。
毎年、海藻屋さんの倉庫に余るんですから。
そして海藻屋さんにはしっかり昨年以前の海藻が熟成されている最中です。
左官関係者の皆様におかれては冷静な対処をお願い申し上げます。