最近は落ち着きましたが東日本大震災の後、
各地で様々な建築資材が不足しました。
左官材料においては全国で
屋根用の「南蛮」を探している屋根工事業の方が右往左往。
震災被害の物件の屋根修理のために必要となり
メーカーの出荷予定ですら分からないほどのパニックがあったと聞きました。
が、ほとんどの方がお探しのモノが「いわゆる南蛮漆喰」。
もともとの「南蛮漆喰」とは油が混入され耐水性を増した漆喰
のことを指したようです。
今でもモノの本では南蛮漆喰=屋根用漆喰とされていますが…
現在市販されている「南蛮漆喰」は
屋根の棟土に使うために粘土に石灰や樹脂を混ぜたもの。
硬化剤や撥水剤が混入され、 「漆喰仕上げが不要」???という触れ込み。
ってことは漆喰じゃない?
少なくとも、伝統工法と照らし合わせれば「漆喰」とは呼び難いようです。
本来は屋根土として粘土。
そして漆喰はご覧の通り仕上げ。最後のフタの役割だったわけです。
理由は…土は雨で流れますが、漆喰は流れませんから。
残念ながら混同して使われているケースも多いようですね。
また、セメントが代用されていることも少なくありません。
それだと屋根の小屋裏からの湿気…抜けきれませんよね。
屋根に必要な機能は「雨水は防いで水蒸気は抜ける」こと。
昔ながらの瓦であればなおのこと、
樹脂製品やセメント製品はオススメできません。