漆喰の原料を作ってみよう <塩焼き消石灰>

2011/10/01

伝統素材

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漆喰の主成分、というよりそのほとんどは消石灰で出来ています。

この白い粉、どうやって作るのかご存知ですか?

今日はその作り方を説明しましょう。

 

まずは石灰石を用意します。大きさは大人のコブシくらいですね。

 

石灰石は石灰岩の鉱山から。

よさそうな鉱脈を見つけたらダイナマイトでド~ンと。

その後焼きやすいサイズに砕きましょう。

 

 

まずは石灰石を焼きます。

 

「焼く」には燃料が必要ですね?

コークスを用意します。これは石炭でも構いません。

 

石灰石と燃料とを交互にイイ感じに火の上がっている窯(かま)に投入します。

窯は焼きたい石灰の量に合わせたものを使用しましょう。

石を焼く温度は800度から1000度くらいです。

 

そして焼く時に忘れてはならないのが「塩」です。

塩を効かさないと石灰がイイ感じに焼き上がらないのです。

石灰石の投入のつど、適量を窯へ撒きましょう。

 

3日ほど経って、焼成熱も冷めたところで取り出します。

焼けた石は白くなりましたね。これが「生石灰(きせっかい)」です。

 

さて焼いた後、今度は水を使います。生石灰に水をかけると…

あーら不思議。高熱を出しながら壊れていきます。

水と反応して化学変化を起こしているんですね。

 

こうして出来上がったのが「塩焼き消石灰」。

国内で生産されている石灰はたくさんありますが、

漆喰用に作られているのは国内数か所、ごくわずかの量です。

工業的に大量に生産されている石灰は、残念ながら漆喰には不向きなのです。

 

試しに焼いて作ってみよう!…というわけにはいきませんね。

昔から伝わる「塩焼き」の技法、大切に守っていかねばならないのです。