海の恵み 人の恵み

2011/06/19

伝統素材

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もういつの間にか夏ですね。

各地で海開きが行われ、私の友人も海水浴に行ったそうですが…。

 

春先から夏にかけて収穫される海藻。

左官でつかう「のり」の原料となる海藻も最盛期をむかえようとしています。

 

海藻は陸の植物と同じく、光合成で成長しますから発育も良い時期なのです。

 

漆喰の原料となる海藻。

 

 

本来はこのように煮炊きして…

 

漆喰の保湿剤、接着剤として用いられてきたわけです。

 

 

ところが、今年の収穫は若干減少しそうですね。

我が国での収穫地は、北海道から青森、三陸にかけて。

やはり東日本大震災の影響が少なくないようです。

 

が、すぐには影響はしません。

 原料の海藻は保管熟成、つまり「寝かせる」必要があるのです。

 

実は海藻は採取してすぐには使えないのです。

早いもので1年、遅いものでは3年以上、乾燥熟成させたやっと使えるようになります。

そのため、左官用の海藻を扱う会社さんは毎年、数年後のための海藻をしっかり在庫しておられます。

 

また、産地は国内だけではありません。

漆喰が大陸から渡ってきた頃から使われてきた朝鮮半島産など

海外のものも安定して供給されているようです。

 

向こう数年分の原料、それを大事に保管している左官さんも少なく、

漆喰メーカーの原料在庫もそう多くはないはずです。

 

実際、すぐに収まりましたが

震災後には「海藻が無くなる?」といった騒ぎもありました。

 

ただ、海藻会社さんのおかげで漆喰が無くならずに済んだ…

そう言っても言い過ぎではないと思います。