昨日、合掌造りについて書いたわけですが…
その屋根を葺いている素材。
それが「茅(かや)」です。
「瓦」の技術は既に飛鳥時代には大陸から伝えられていたものの
それは誰にでも使える素材ではありませんでした。
一般庶民に使える屋根は板葺きや茅葺き、藁葺きなど。
その中でも、茅葺きの屋根は古くから用いられてきたものです。
古墳時代あたりの竪穴式住居。
これも茅でしっかり覆われています。
コチラの写真は日本最古の学校といわれる「足利学校」。
瓦葺きと茅葺きが一緒に用いられています。
茅葺き屋根のしっかりと刈りそろえられた軒先。
天然素材が魅せる美しさです。
このように大変素晴らしいものが我が国にはあったのです。
が、住宅様式の変化により…と他の素材と同じく、不要とされているわけですね。
茅自体も河川工事などで生えている場所が少なくなっていますし、
茅葺きの屋根工事を行える職人さんも少なくなってきているわけです。
町興しや古民家再生などで注目されるムラのみんなで行う茅葺きも
「イベント」だけでは無意味ですね。
しっかりと残していく、それを誰もが意識することが大切だと思います。