千年のこたえ

2021/04/05

よもやま

t f B! P L
何度もなんども何度もオハナシしていますが、漆喰には木が良く似合います。変化に富んだ木の色と漆喰の柔らかい白。それは住空間をとても穏やかな雰囲気にしてくれます。


最近はやりの洋風のデザインであったとしても、こんなカンジ。互いを引き立てあうことができる素敵な素材だと思っています。


何事にも共通して言えることですが、モノには相性というものがあります。

 木と漆喰…実は共通点があるのです。

木は樹木として生育している間、光合成を行っています。空気中の二酸化炭素を吸って、酸素を吐く…大きくなればなるほど木はその内部に炭素を蓄えていくのです。


それが木材として住まいに使われています。

そして内部に蓄えた水が抜けるに従って、徐々に強度を増していきます。
樹齢100年の木は切られてから100年後くらいから最も強くなるといわれています。100年前に新築された住宅があれば、それに使われた木材は今まさにベストの状態であるわけです。

一方、消石灰を主成分として造られた漆喰。
消石灰が空気中の二酸化炭素を取り込むことで固まるのです。

だから塗って乾いただけでは未完成。


木材と同様、長い時間をかけて固まっていくのです。


木と漆喰などが使われた建物は新築当時はまさに未完成。長い時間をかけ、日々の手入れが行われながら、大切に暮らしていくことによって出来上がっていくもの。だからこそ最高の相性ということが出来るでしょう。

では、現在の建物や素材は?

鉄骨などに使われた金属は錆び、朽ちていきます。コンクリートは酸性雨などで中性化することによって脆くなっていきます。ペンキなどの合成樹脂は紫外線によって分解され、徐々にその強度が衰えていきます。

今の建築素材は出来上がった時が最も強い状態。
昔と今、まさに逆のモノが使われているということもできます。

いつも皆さんに尋ねていますね?
霞が関ビルと法隆寺。100年後に残っているのはどちらだと思いますか?




それが1000年を越えて私たちが持つ「答え」だと信じています。