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その漆喰、ニオわないんですか?

漆喰は消臭効果があるのにクサい?

漆喰には優れた機能の一つに「消臭効果」があります。
でも、漆喰ってもともとはクサいんです。


実は、出来上がったばかりの漆喰、塗り上がったばっかりの漆喰は「無臭」ではないのです。

クサい漆喰が壁に塗られ、乾き、硬化していく過程で、匂いは消え、やがて消臭機能をもった壁に変わっていくという、摩訶不思議なお話をご理解いただかねばなりません。

今日はその臭いのモト、「海藻のり」についておさらい。


漆喰の「のり」とは

漆喰には歴史的に米の煮汁をつかったというお話もありますが、現在主流の漆喰は海藻を原料に作られています。

「のり」というと、どうしても接着剤を連想する方が多いですね。
確かに海藻から取ったフノリなどは接着剤や固着剤などとして使われてきました。
しかし漆喰に必要な「のり」の目的は作業性や保水性のため。もちろん、多少の接着力も付与されますが、海藻を使った保湿パックや髪のコンディショナーと同じく、漆喰がしっとりとした状態で作業を続けられるのです。

漆喰を塗る際、早く乾き過ぎるとキレイに塗り延ばすのも難しいですし、急激に乾燥してギュッと引き締まるとひび割れも出やすいので、そこそこ乾きにくく水保ちすることが必要なのです。

実は海藻がクサい

さて、その海藻、かなりの臭気を放ちます。どんな匂いかというと、強烈な磯の香り。ワカメやコンブのそれの何十倍も凝縮されたような強い香気に襲われるのです。

どんな海藻が使われているかといえば

最も有名なものは「布海苔(ふのり)」。


左官職人さんに最も使われているのは「銀杏草(ぎんなんそう)」。


そして一部地域で使われている「角叉(つのまた)」。


これらの海藻を使うには鍋でコトコト炊いて、「のり」を煮出していました。焦げ付かないように、そして不必要に海藻が壊れないように、ゆっくりと海藻のヌルヌル成分が溶け出させます。


そして網で漉すと、漆喰に最適な「のり」の出来上がり。



ただ、現在は残念ながらこの、のりを炊く作業はなかなか見られないものになってしまいました。臭いの問題、火の問題。町なかの建築現場で、薪を焚いて釜で煮炊きして、さらに強烈な磯のにおいを出すなんてことは許されなくなってきたのでしょう。

代わりに、加工された海藻粉末を混ぜて使うのが主流になっています。
さらに、近年の漆喰では「のり」は「糊」。接着性や硬化を強めようと様々な樹脂が用いられています。

でも、考えてみてください。

もともと使われてきた海藻のりは水に溶け自然に消えていくもの。
そして漆喰が固まるメカニズムは二酸化炭素を吸収すること。
のりに接着力を期待する必要などなかったのです。

― 樹脂で固められた漆喰、それは何なのでしょうか?

海藻のにおいは結局どうなるの?

脱線しましたが、もう一度「臭い」のモトは海藻のオハナシ。
安心してください。

 漆喰が乾いたあと、徐々に海藻の臭いは消えてしまいますから。

自然の素材をそのまま使うのが、本来の漆喰ですものね。


 逆に、海藻の臭いがしない漆喰があるんです。

― 臭いがしない漆喰、どんな漆喰なのでしょうか?