©伝統素材伝承支援協会 梅雨の漆喰。 対策は「無理しない」ことです。 150 150

梅雨の漆喰。 対策は「無理しない」ことです。

降り続く雨と、晴れても蒸し暑い毎日。全国的に漆喰の施工が難しい季節です。


左官工事は水を塗るとも言われる仕事。
洗濯物と同じで「乾きにくい」ことは色々なトラブルを生むのです。



トラブルその1)下地養生の不足によるひび割れ

左官さんのお仕事は「仕上げ」。最後に漆喰を塗ってキレイに仕上げます。
ところが、雨の毎日。工期の遅延や天候不順などによって工事日数が足りなくなることが多々あります。

で、間に合わせるために何とかするわけです。当然、ご本人はゆっくり塗りたいのですが…。誰かが待ってくれないのですね。 その為に起きてしまうトラブルが「ひび割れ」。

セメントモルタルの上に漆喰を塗る場合、暖かい時期でもセメントは最低2週間、何もせず置いておく(これを養生といいます)ことが推奨されています。

で、養生せずに塗るとどうなるか?
セメントの収縮によって、上に塗った漆喰にひび割れが出来てしまいます。 


トラブルその2) 工程短縮?によるひび割れ

モルタルの上に漆喰を塗る時には建物から表面に伝わる力が少なくなるよう、砂入りの漆喰(中塗り漆喰)を塗るのです。それが緩衝材となるわけですね。
昔からの左官さんの優れた知恵です。

で、塗らないと?
やっぱり割れやすくなります。

でも、1)の理由と同じく、工期短縮のために省かれることがあるようです。
左官さんはしっかり塗りたいはずなのですが…。



トラブルその3) 乾燥条件不良による白化・白華

漆喰は消石灰を練ったもの。
消石灰=水酸化カルシウムは全てではありませんが水に溶けています。
では、水をたっぷり含んだまま乾燥条件が悪いとどうなるか?

溶けていたカルシウム分が表面に結晶を作るわけです。白い粉を吹いたような状態になり、なんとなくモヤモヤした仕上がり状態になってしまいます。

またはテカりますね。
表面にオブラートのようなガラス状の結晶が出来てしまうのです。


漆喰に起きるトラブルを回避するためには?

色々な原因はありますが、トラブルを避けるためには「無理をしない」ことです。
  • 無理な工程を組まない。
  • 無理な時に施工しない。
  • 無理に乾かさない。
  • 無理なお願いをしない。
当たり前のことなのですが、守れない工事現場が多いようですね。

梅雨のこの時期、ちゃんと乾燥と養生を行いながら、じっくりゆっくりと慌てず施工して下さいね。

 雨の降る日には洗濯物を外に干さない。
 部屋干しの時にはちゃんと湿気を取るように。
…漆喰も同じですよ。


  
「塗るべきではない状況でも塗る。」には理由があります。
それでも左官職人さんは気候と乾燥条件を一生懸命考えながら、少しでも良い仕上がりになるよう、努力を続けていらっしゃいます。

周りの皆様はよくご理解いただき、左官さんを応援してくださいね。