「素材としての漆喰」についての大事なオハナシをさせていただきます。
何よりも「漆喰は天然素材、自然素材である」ということが揺らぐお話です。
漆喰はもともと3つの原料と水で作られます。
主原料となるのは石灰。
そこに麻の繊維と海藻から出る糊分を加えて出来上がります。
漆喰は、実はその成分のほとんどが石灰。
麻と海藻は補助材料なのですが…
さらに補助材料が加えられているのが「現代の漆喰」と言えるでしょう。
漆喰に限らず、「天然」「自然」が強調されている製品、多いですよね?!
ところが成分を調べてみると…
原料が天然素材を加工して出来ているから、天然素材…????
そのほかにも「天然由来」「自然由来成分」などというコトバが使われています。
日本語ってとても便利なコトバです。
分からなかった方にはもう少し。
では天然の調味料と「化学調味料」で考えましょう。
天然…はお分かりですね。かつお節とか昆布とかイリコとか。
化学調味料は、今では「うま味調味料」と呼び名が変わりましたね。
もっとも有名なアレも含め、その多くはサトウキビの加工物由来なのですが…
それは「天然素材」と呼べますか?
左官材料で言えば海藻のりの補助材料、代替材料として多用されているのが
メチルセルロースの類。紙の原料としても知られるパルプから作られます。
食用として使われているものもあるようですが、結局それは調味料と同じ状況ではないでしょうか?
その漆喰、天然素材と・・・
少なくとも私は呼びません。
あとは各自の判断ですね。
ただし、だからといって体に悪い!というわけではないのです。
食べ物だってそうでしょう?
調味料が入っているほうが美味しく感じる人も居るんですものね。
さらに申し上げるなら…石灰。
これって自然から採り出した石灰岩を、砕いて焼いて、水と反応させて、また砕いて…
残念ながら、自然の姿そのままでは漆喰にすることは出来ませんね。