ではどんな内容?
子供にも分かるように説明できますか?といわれると
ウッと…する方多いんじゃないでしょうか?
光合成が理解できないと…
なぜ漆喰が作られるのかも理解できないかもしれませんよ。
というわけで、光合成のおさらいです。
光合成とは?
植物が二酸化炭素を吸い、光を浴びることで酸素を吐く。
と説明してしまう方がほとんど。それでは少し足りないのです。
植物は光の力で
二酸化炭素と水から 酸素と炭水化物を つくっています。
というのが光合成。ちゃんと光で合成しているんです。
「炭水化物」というのはデンプンや糖などですね。
植物の成長のエネルギー源になり、細胞を造ったり、種や実を造るわけです。
大人向けに酸素が発生するまでの化学式にすると
12H2O+6CO2→C6H12O6+6O2+6H2O
H2Oは水。CO2は二酸化炭素。O2は酸素です。
水と二酸化炭素を分解すると…
炭素を自分の体に取り込み、酸素を吐くわけです。
同じ化学式でもう一度。
12H2O+6CO2→C6H12O6+6O2+6H2O
「植物は炭素を固定する」といわれている理由はこれなんです。
森や林の樹木が伐採され、木材として使われている限り、
木に貯められた炭素が出てくることはありません。
さらに言うならば「石炭」。
これって植物の化石だって知ってましたか?
通常、枯れた植物は微生物やバクテリアなどで分解されてしまうものですが、
何千年も何億年も前の植物が分解されずに化石になったモノ、それが石炭。
炭素のカタマリとなって掘り出されているわけです。
バーベキューなどに使う木炭。
これは化石になる前の炭素のカタマリですね。
光合成とは植物が炭素を固定する作用。
だからこそ、資財として大切に使い続けなければならないのです。
伐採されて100年経った木材、ゴミだと思っていませんか?
実は新しい時よりも強くなっていること…以前説明しましたね。
→ 過去ブログ「古材という伝統素材」
さて、光合成が行われているのは陸の上だけではありませんね。
海にも植物、つまり海藻が生えています。
実は海の中でも光合成が行われているのです。
漆喰の原料となる石灰石。
太古の昔にサンゴやプランクトンなどの死がいが堆積して出来上がったものです。
そしてコレが造礁サンゴの死がい。
サンゴは「動物」ですから光合成はしません。
実は、サンゴには褐虫藻という海藻が共生しているんです。
その海藻が光合成をすることでサンゴに栄養を与えています。
だから石灰岩は炭素とカルシウムのカタマリ。
化学式で見てもそうなんです。
石灰岩は炭酸カルシウム =CaCO3 です。
漆喰の原料となるのはそこから二酸化炭素が抜け、水と反応させた後の
水酸化カルシウム =Ca(OH)2
それが長い年月をかけて二酸化炭素を取り入れることで
元の炭酸カルシウム =CaCO3 へと変化していきます。
自然の中に人為的に造られたサイクルですが、どうでしょう?
自然と共生している気持になれませんか?
それが伝統素材である漆喰の魅力の一つだと思います。
光合成がもたらした様々な恩恵、これからも大切にしていかねばなりませんね。