「漆喰のオハナシ」 おさらいその14

2015/01/06

おさらい

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今日のおさらいは
よくご相談いただく質問にお答えするテーマ。
「漆喰選びの基準」についてです。



一般社団法人伝統素材伝承支援協会(でんでん協会)は、
その名の通り伝統素材を使おうとする方々のお手伝いをする協会です。
主に漆喰を中心とした左官素材を専門としています。

協会へのご連絡、運営する3つのブログなどから、
「素材に関するご相談」を数多くいただくのですが、その多くは

 「漆喰にしたいが、どの製品を選べば良いのかわからない」

というものなのです。 


インターネットなどで情報が簡単に手に入るようになったため、
これから家を建てたり、リフォームしようとする方は、
一生懸命、自分の力でその素材選びまでこだわろうとすることが多いようですね。

一つ一つお答えしているのですが、「漆喰選び」については分かりやすい判断基準があります。

工事現場で左官職人さんが手作りする漆喰を「本漆喰」と呼びます。
ですが、一般の住宅ではよっぽど条件がそろわない限り実現は難しいです。

そこで多くの左官さんが使っているのが「既調合漆喰」
その名の通り、既に調合が出来ている漆喰。
国内に数十社の漆喰メーカーがあり、
皆さんがインターネットや雑誌などで調べて出てくるのもこの既調合漆喰です。

昔ながらの漆喰と同じく、消石灰と麻すさ、海藻のりの3原料を基本としていることは、
先日もご説明した通り。

ただし多くの「製品」には、それ以外のモノが添加されていることも何度かご説明しましたね?!
2011-04-09 「メーカー製の漆喰」 http://shikkui.denden-kyokai.com/2011/04/blog-post_9.html


そうなんです。
「漆喰は天然素材だから安心!」などという言葉は、通用しないのです。

なので、いつも日本漆喰協会の「化学物質放散自主認定制度」を紹介しています。

認定にあたっては、使用原料を全て協会に開示し、さらに外部機関で分析されます。
その基準値も、か~なり厳しいです。
「一般に売られる建材がF☆☆☆☆(フォースター)なら
 我々の漆喰はF☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆(テンスター)だ!」と云うのですから。


化学物質の放散量だけでなく、樹脂を配合する場合の上限まで定められています。
「混ぜ物」を極力使いたくない方にとってはオススメの制度です。

合格品には全てその合格マークが付けられていますから安心ですね。
マークの付いた製品には
その分析結果と安全である証明がメーカーに保管されています。
 

でも、さらに

 「合格品で、かつ混ぜ物が入ってないものってありますか?」

というお問い合わせをよくいただきます。

 国内数社で、数点。それを満たしている製品があります。

気になった製品があれば、
メーカーから安全データシート(SDS)を取り寄せてみましょう。

基本的に、使用する原料は全て記載する義務がありますから、
そこにカタカナの化学物質名や樹脂などの言葉があれば

 …混ぜ物が入ってますね。