けれど、そう簡単ではないのです。
まずは、漆喰が何だか分からないままの方が多いです。
冗談のように聞こえますが、
実際、「よくわからないけど、体に良いって聞いたから」という方、かなり多いんですよ。
で、分からないまま、不運な方は“漆喰らしきモノ”の住まいに。
後にトラブルが起きるわけですね。
もう一歩進んで、まず「漆喰」について詳しく調べている方も多数いらっしゃいますね。
場合によってはご自分が工事をお願いする工務店さんよりも知っていたりします。
すると、巷に溢れる情報のせいで逆に不安になるんです。
ちょっと前までは「漆喰は安全」「漆喰で健康」「漆喰は自然素材」といった宣伝ばかりだったのですが、最近は「ウチのは安全、他社のはキケン!」というものが多くなりましたね。
ここまで辿り着いた方々はどこからか納得出来る解答を見つけて、「この漆喰にしたいんです!」と工務店さんに。
さあ、次の障害(?)は、住まいをお願いしている工務店さんが「漆喰」を使えるかどうか?という問題。
…そう、問題。大問題なんです。
普段から、「漆喰」の仕様を組んでいる工務店さんって、全体の半数にも満たないはずです。どれだけ「こだわり」をオモテに出していても、アナタの選んだ「漆喰」には対応できないかもしれません。
最後に立ちはだかるのは価格。
残念なことですが、ビニルクロスなどと比較するとかなり割高になってしまうんです。
「木と漆喰の家」。かなり遠き道のりですね。
無垢の木と漆喰の部屋
でも、あきらめない。木と漆喰の家がダメでも、木と漆喰の部屋ならなんとかなるでしょう?!
生活の多くを過ごすリビング、一生の3分の1を過ごす寝室だけでも。という方も多いですよ。
あとは「納得できる漆喰」を塗ってくれる工務店さんを見つけるだけ。
漆喰について一生懸命調べているのは、納得したいからですよね? だったら、しっかりと納得できる説明をしてくれる工務店さんがあればいいんです。
(写真提供・UDホーム)
安心出来る工事で納得の住まいに。
信頼できる工務店さんは一生のパートナー。
それは大手メーカーさん?それとも地元の大工さん、工務店さん?
住まいを作るには、そのパートナー探しも必要ですね。
漆喰を 観に行こう
さて、皆さんが「漆喰の部屋」に希望を持てた(?)ところで、是非観に行きたい漆喰をご紹介。 基本的に観覧無料のトコロですよ。家族で行楽もかねていかがでしょうか?まずは2010年に奈良時代のその姿を再現された平城京の大極殿。 漆喰も奈良時代のその姿を現代に、そして未来へ残そうと再現されたものです。平城京跡大極殿・奈良
続いては東京上野の森から国立国会図書館国際こども図書館。 こちらは明治期の姿を未来の子供たちへ伝える施設ですね。
国立国会図書館国際こども図書館(旧帝国図書館)・東京
沖縄・北谷町の美浜エリアにある集合施設、AKARA。 伝統的な琉球漆喰が現代風にアレンジされた、素材の素晴らしさを肌で感じられる場所です。 沖縄伝統の素材に新たな世界が広がった作品の一つだと思います。
AKARA
東日本大震災で甚大な被害を受けた陸前高田。 神戸から分灯された「希望の灯り」が灯されていることでも知られる気仙沼大工左官伝承館。 その名の通り、伝統技術と伝統文化を未来へと伝承する施設ですね。 大震災にも耐え残り、避難所としても使われました。で、そちらの土蔵。なかなかゴージャスです。
気仙沼大工左官伝承館の土蔵
まずは漆喰に触れてみましょう。
その触感だけでなく、漆喰に囲まれた空気を感じてみてください。
それで気に入ったなら、是非漆喰の部屋、実現してはいかがでしょうか?