「漆喰のオハナシ」 おさらいその5

2014/12/27

おさらい

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漆喰の主成分となる原料は、消石灰です。

漆喰はそのほとんどが消石灰から出来ています。
この白い粉、どうやって作るのか?今日はその作り方を説明しながらおさらいです。



これが「消石灰」。出来上がるまでの過程を追ってみましょう。


まずは石灰石を用意します。大きさは大人のコブシくらいですね。


石灰石は石灰岩の鉱山から。
もともとそのほとんどが海の底だった日本。各地に石灰鉱山があるんです。

まずはダイナマイトでド~ンと。その後焼きやすいサイズに砕かれます。


石灰石を焼くのですが…「焼く」には燃料が必要ですね?
左官に使われる石灰を造る際には石炭やコークスが使われています。


石灰石と燃料とを交互に窯(かま)に投入して焼いていきます。
窯は江戸時代あたりから伝えられている「土中釜」というものが使われます。

石を焼く温度は800度から1000度くらいです。


そして焼く時に忘れてはならないのが「塩」です。
塩を加えることで還元効率が高くなるのと不純物を取り除くことができます。
石灰石の投入のつど、適量が窯へ撒かれます。


3日ほど経って、焼成熱も冷めたところで取り出します。
焼けた石は白くなりましたね。これが「生石灰(きせっかい)」です。


さて焼いた後、今度は水を使います。生石灰に水をかけると…高熱を出しながら壊れていきます。水と反応して化学変化を起こしているんですね。これを消化反応といいます。


こうして出来上がったのが「塩焼き消石灰」。


国内で生産されている石灰はたくさんありますが、今回紹介したような「漆喰用」に作っている場所は国内数か所、ごくわずかの量です。

ちなみに、工業的に大量に生産されている石灰があるのですが、残念ながら漆喰には不向きなのです。

ただ焼けば出来上がるわけではないのですね。

昔から伝わる「塩焼き」の技法で作られる消石灰。これも大切に守っていかねばならない伝統素材です。