石灰だから長持ちするんです。

2014/11/02

よもやま

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500年を遡り、1512年11月2日、あるものが完成されました。それがコレ。
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ミケランジェロによるイタリア・システィーナ礼拝堂の天井画が完成したんです。

その中でももっとも有名なものがこの「アダムの創造」ですね。
この絵が公開されて500年。長く残されているのには理由があるんです。

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その謎のカギが石灰。

石灰を下地に描いていく「フレスコ画」のおかげなんです。
フレスコ画。なかなか目に触れる機会も少ない西洋画の技法です。

フレスコ画ってナニ?という方は過去の説明を読んでくださいね。
2012.3.16;ダ・ヴィンチと漆喰 http://shikkui.denden-kyokai.com/2012/03/blog-post_16.html

実は私の出身の大分県津久見市はフレスコ画が身近な街。
開催されるフレスコ画教室では参加者の皆さんが地元特産の石灰に思い思いの絵を描いていきます。




子どもさんの作品では造形のテイストも。
石灰モルタル(もともとの西洋の漆喰)に彩色して、パラパラと撒くのは貝の粉?

キラキラととてもキレイですね。


さらに、そんなわが町には、ちょっと変わった施設があるんです。


生簀(いけす)のようなものがたくさん。ところが…何やら不思議な影が。


実はココ、世にも珍しい「イルカの練習場所」なんです。
大分県内にある水族館では人気のイルカショー。

そのショーを行うイルカさんたちの練習施設。

イメージ写真

本番のショーの演技を練習しているいわばバックステージ。
それが県内の新たな観光施設として公開されています。

その中には「フレスコ画」が公開制作され、完成しました。



イルカのフレスコ画。
古くはギリシア・クノッソス宮殿にもイルカの壁画。
石灰と砂を練っただけのものに、顔料を水で溶いて書いていくだけ。
それだけで画は石灰のチカラで何千年もの年月、その姿を保っていきます。


描いていただいたのは、津久見市ではおなじみの造形作家、むらおかずこ先生。
ジョルナータで描かれた本格的なブォン・フレスコ。

津久見の海と生き物の絵画を同時に楽しめる、とても素敵な空間ですよ。