DIYで本漆喰が作れるかな? 海藻の調達から。

2014/10/07

DIY

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漆喰の原料は消石灰。そこに炊いて煮出した「のり」と麻を加えるんです。

のりの原料には海藻を使うんですが…

どうやって作るの?というオハナシ。
ここからDIYでやろうとする方もいるようですが、なかなか難しいんですよ。



まずは海へ行きましょう。
お米の煮汁を使っていたというハナシもありますが、やはり漆喰といえば海藻を使わないと!
 

それらを海から採ってきてしっかりと乾燥させます。


海藻といっても何でも良いわけではありません。
採りたいのは「布海苔(ふのり)」「銀杏草(ぎんなんそう)」「角又(つのまた)」など。

分からない方は海藻図鑑などを見ながら探してみてください。
主に磯。漆喰に適しているのは、春から夏に収穫したもの。

特に東日本の冷たい海に生えていたものが上物とされています。


海藻の種類にもよりますが、通常収穫してから乾燥させ、1年から3年は「寝かせ」ます。

新しいままでも溶けますが、決して左官向きのノリには仕上がりません。
「よいノリが出る頃合い」になるまで、しっかり保管しましょう。


しっかりと熟成させ終わったら…あとは炊いてノリを出す作業。
ただ、工事現場などでコノ姿、見なくなったと多くの方が言いますね。

海藻と水の量は、海藻ごとに調整が必要ですからその都度。
さらに上塗りなのか中塗りなのか、漆喰の塗り方によっても濃さが違いますから、これだけは経験を重ねないと分かりません。


ちなみにプロの職人さんも使っている漆喰の多くは「既調合漆喰」と呼ばれる
「水で練れば漆喰の出来上がり!」という云わばインスタント漆喰なんです。

そこで使われているのが「粉末海藻」。

「鍋で炊いたノリを乾燥させたもの」と記載されていることがありますが違います。
インスタントコーヒーのような方法で粉末にしたものでもありません。海藻を煮る代わりに蒸し、乾燥させ、粉にしたものです。



そして、このノリの役割は…接着剤ではありません
石灰そのままだと塗りづらいから、作業性を良くするための補助材料なのです。

大きな役割は保水と増粘。
塗ったものがすぐに乾いてはキレイに仕上げにくいですから、乾きにくくするんです。そして多少の粘り気は作業性が良くなりますね。

といった大変重要な役割を担う伝統素材。
海藻の「目利き」まで含め、誰もが簡単に出来るものでもありません。
国内には数名、海藻に関わる職人さんがいらっしゃいます。

とても貴重な「目と技術」。次世代へ残していかねばなりません。