夏が来る前に海で採る伝統素材。

2014/05/20

伝統素材

t f B! P L
南の島から梅雨入りし始めたニッポン列島ですが…もうそこまで夏が近づいていますね。

連日の各地での真夏日。いっそ海水浴に行きたい気分ですが…。


春先から夏にかけて収穫される海藻。
左官でつかう「のり」の原料となる海藻の採集は、すでに最盛期をむかえています。

北の海の磯には黒々と海藻が生い茂っていますね。


海藻は陸の植物と同じく、光合成で成長しますから、春から秋にかけて発育の良い時期なのです。


漆喰の原料となる海藻。

本来はこのように煮炊きして…


漆喰を塗るときに必要な保湿剤、接着剤として用いられてきたわけです。


我が国での収穫地は、北海道から青森、三陸にかけて。いまだに東日本大震災の影響で採取量が少ないようです。

が、すぐには影響はしません。
原料の海藻は保管熟成、つまり「寝かせる」必要があるのです。

実は海藻は採取してすぐには使えないのです。

早いもので1年、遅いものでは3年以上。そうやって海藻を乾燥熟成させた後、やっと使えるようになります。そのため、左官用の海藻を扱う会社さんは、毎年、数年後のための海藻をしっかり在庫しておられるんです。

ちなみにコチラは食用のぎんなん草。
食べるのは新しいものが良いようです。そのため、あの強烈な臭いもしませんね。


また、産地は国内だけではありません。
漆喰が大陸から渡ってきた頃から使われてきた朝鮮半島産など、海外のものも安定して供給されているようです。

今年は、国内の収穫量があがると嬉しいですね。