「天は地から守られる」というコトバを聞いたことがあるでしょうか?
屋根瓦、屋根土、そして板や檜皮など。全て天然素材で作られた屋根。その多くは瓦が葺かれています。なるほど。土を焼いて作られた屋根が住まいを天から守っているのですね。
ではその実例を沖縄の古民家を使っておさらいしましょう。
春は名のみの風の寒さ。
ちょっとでも暖かい気持ちになりますように。
琉球漆喰。
琉球という言葉通り、琉球漆喰は琉球王国の昔から現在に至る歴史をもつ、沖縄県でのみ造られている漆喰です。
で、まずは皆さんの「沖縄」のイメージから。
やっぱり、こんなカンジでしょうか?
それともこんなカンジ。
沖縄独特の古民家の姿です。壁が最小限しか見られない開放的な住宅ですが、屋根にはしっかりと赤い瓦がのせられ互いに漆喰でがっしりと固められています。
その漆喰こそが琉球漆喰。民家から首里城のような文化財まで、同じ赤瓦と漆喰。それが沖縄の伝統建築様式です。
赤と白のコントラスト。そして整然とならぶ瓦と漆喰。屋根にここまで息をのむような美しさを感じることはあまりありません。
赤い瓦は沖縄で採れる土を焼いて出来上がるもの。
瓦に赤い色を塗って作っているんではないんです。
地元の土を混ぜ合わせて出来上がるのが沖縄の赤瓦。
焼いているのも沖縄県の瓦会社さんです。
そして違った魅力を与えてくれるのがシーサー。
沖縄の建物の屋根には欠かせない守り神です。
さて、このシーサー、もともとは上の写真のように、瓦工事の職人さんが瓦の破片と漆喰で造っていたのです。
土と漆喰で住まいを守るのが沖縄の屋根。
いわゆる和瓦も同様のオハナシです。
どうでしょう。足もとを見てみませんか?
その土が私たちの屋根を守っているんです。