余談ですがモンブランからも漆喰をつくろうとすれば作れるんです。
いえいえ、ケーキから漆喰はつくれませんね。
モンブラン。栗がたっぷりのケーキです。
残念ながらこのオハナシはケーキのことではなく、ヨーロッパ・アルプスのモンブラン。
Mont Blanc, 4810m / girolame
実はアルプスでもヒマラヤでも石灰岩が採れるんです。
その理由は日本と同じく、太古の海の底が隆起したのが高い山になったから。
漆喰の原料となる石灰石は、太古の昔に、サンゴやプランクトンなどの死がいが海の底に堆積したものが変化したものです。
大陸移動説に基づく太古の大陸と海の想像図。
この時、ヒマラヤもアルプスも、そして日本も、すべてテチス海(TETHYS SEA)の海の底であったと考えられています。
だから、みんな同じ時期の地層があり、そこから石灰が産出されます。
まさに同じ海の底であったということですね。
だから、アルプスを削った石灰から漆喰を作っても、ヒマラヤからでも、日本でも同じような漆喰が作れるんです。
実際、我が国でもヨーロッパの漆喰が売られていますよね?!
石灰の加工方法や、石灰以外に混ぜられるモノによって、出来上がりは変わりますが、石灰は石灰。水酸化カルシウムという物質が二酸化炭素を吸収して固まる材料である限り、その物性に違いはほとんど無いのです。
つまり「産地がドコだからといって優れているということはない」と考えるべきです。
ワタシは…産地やメーカーにこだわるのではなく、添加物が少なく、作り手の顔が見える漆喰をできるだけ薦めるようにしています。食べ物と同じく、ドコのナニが添加されているか分からないようでは心配ですよね?!
「漆喰」を未来へ残すためには、正しい姿を理解し伝えなければなりません。