砂糖と石灰。似ているのは白いだけじゃないんです。

2014/02/25

伝統素材

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「素材にこだわる」ということは建築や工芸だけでなく、「食」の世界にも通じることです。お料理も様々な素材で作られますもんね。
 

料理の基本は「さしすせそ」。その1番目は砂糖ですね。今、ちょうど砂糖が旬のシーズンなんですよ。今回はその砂糖について、おさらいです。




砂糖には様々な製品がありますが、今日はその中でも黒砂糖
甘くてちょっとクセがあって、美味しいですよね。 美味しい上にミネラルが豊富。カルシウムやカリウムがたっぷり。

…なぜでしょう?

それは黒砂糖の作り方に秘密があります。
まずは原料となるサトウキビ。南の島には歌の通り、ざわわと生い茂っています。

サトウキビを絞ります。昔は絞り臼を牛に回させていたそうですね。


絞った汁を釜で煮て水分を飛ばします。 


で、出来上がり…にはならないのです。
サトウキビのしぼり汁は酸性の液体。中和してやらないと固まらない…。

そこで登場するのが

「食品添加用消石灰」。

昔は藁灰を使ったり、サンゴを焼いた石灰を使ったりしていたそうですが、現在は主に九州で製造された、純度の高い消石灰が黒砂糖の産地である南の島々へ送られているのです。

アルカリ性の石灰を加えることで、中和されるだけでなく絞り汁に含まれた不純物も取り除くことができます。だから高カルシウム食品?!

…お分かりいただけたでしょうか?

黒砂糖の産地での製造期間は例年10月~4月。
現在真っ只中です。

ただ、ここ数年、台風の影響が深刻です。残念ながら今年もサトウキビの収穫量は少ないようですね。