専門家でも答えられない「塗料と漆喰の違い」

2014/01/20

伝統素材

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素材の話をする時に一番最初にオハナシしているのが「漆喰と塗料(ペンキ)の違いについて」。
このサイトでも何度も説明していますね?!

ただ、これが現在の建築業界における「誤解」を解く最初の一歩なのです。


漆喰と塗料の違い。
実は建築関係の専門家でもこれがちゃんと説明できる人、案外少ないのです。

その違いを説明するために知らなければいけないのがその中身。
しっかり分かりやすく説明します。

塗料の配合は大きく4つ。
  • 樹脂   ;名前の通り、油です。乾いた後、膜になる成分。
  • 溶剤   ;溶かすための液体。シンナーや水。
  • 顔料   ;色を着けたり、厚みを付けるための粉。
  • 添加剤  ;塗りやすくしたり、品質を安定させたりさせるためのもの。
「油を溶かして塗る」それが塗料です。

色を着けるためには顔料を入れます。乾いた後には色の粉が混ざった油の膜が残りますね。油が乾いて固まり、プラスチックの膜を作るもの。それが塗料です。




そして、漆喰の配合は大きく4つ。
  • 石灰    ;9割以上が石灰分です。
  • 麻すさ   ;石灰の収縮や外力からのひび割れ防止のつなぎ材。
  • 海藻のり  ;作業中の保水性や材料の粘性の調整。
  • 水      ;上の3つを混ぜるためのもの。石灰の硬化促進。
漆喰を塗ると水が蒸発した後、ほぼ石灰のカタマリになるわけです。そして、石灰は空気中の二酸化炭素を吸いながら、長い時間をかけて硬化します。だから、塗って乾いた直後は、固まっていません。石灰の粉が時間をかけて固まるもの。それこそが漆喰なのです。
 

なんとなく分かりましたか?  

塗料は樹脂(油)を塗るもの。漆喰は石灰を塗るもの。

だから、

 塗料は塗って硬化した後が最も強く、
 漆喰は時間が経てば経つほど強くなるのです。

 塗料は油の膜ですから、水を通しませんが
 漆喰は粉のカタマリですから水や空気を通しやすい。

 塗料は樹脂の違いで性能が変わりますが
 漆喰は石灰なので性能は昔から変わらない。

と、云うわけです。


そして、このような素材の構成、実は、ちゃんと理解している人が本当に少ないのです。
今オシゴトを頼んでいる工務店さんやハウスメーカーさんに「何がどう違うの?」と尋ねてみてはいかがでしょうか。
半分くらいの方がシドロモドロになるはずです。

逆にしっかり答えられるヒトであれば…ちょっと安心できますよね。



でんでんセミナーでは、具体的な素材を挙げながら、もっとわかりやすいオハナシをしています。
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