寒いとステキな石灰のクニが恋しいので

2013/11/17

伝統素材

t f B! P L
私の住む九州にもゆっくりと冬が近づいています。
野や山に石蕗(つわぶき)や路地菊(ろじぎく)などの季節の花が咲きましたから、もう暖房が必要になりました。


さて、冷え込んでくると…と恋しい場所があるんです。

相変わらず恋しい場所、沖縄です。
明日の那覇は涼しい一日(!?)
最低気温が19℃、最高気温は21℃だそうです。さすが常夏?、「寒い」ではなく「涼しい」という言葉が使われていますね。

やっぱり暖かい場所が恋しくなります。残暑までは大嫌いだった強い日差しも恋しくなりました。
 

さて、現在ではコンクリートの建物が目立つ沖縄ですが、もともとは緑と土、そして石垣が美しい町並みだったそうです。


今日はその美しい「石」についておさらいです。
  


沖縄で産出される岩石。その代表的なものが「琉球石灰岩」です。
観光地の石垣などをはじめとして、沖縄各所で観られるのですが、他の地域で採られている石灰岩と比べ、様々な特徴があります。


特に、その生成は更新世といわれ、石灰岩としては新しい部類でしょうか…。
(といっても約180万~160万から約1万年前です)

サンゴ礁の働きによって造られた岩石であることも良く分かるのが、この琉球石灰岩。建築材料としても沖縄県内の様々なところで目にすることができます。

代表的なところで城(グスク)。


石畳から城壁、いたるもの全てが琉球石灰岩で造られています。
当然、古民家もそうです。家をしっかりと取り囲む石塀も、


軒を支える雨端柱(あまはじ)の下の礎石も琉球石灰岩です。

特にこの礎石の写真、元がサンゴであることが良く分かるものですね。我々の住む日本の全てが海の恵によって成り立っていることが実感できます。

沖縄県にある様々な文化遺産や文化財の中でも神聖な場所、琉球王国最高の聖地「斎場御嶽(せーふぁうたき)」でも石灰岩がその神秘的な姿を造り出しています。 

斎場御嶽は首里城等と一緒に「琉球王国のグスク及び関連遺産群」としてユネスコ世界遺産に登録されています。沖縄、琉球王国の歴史に触れるなら、必ず訪れるべき場所ではないでしょうか?
そんな世界遺産のほとんどが琉球石灰岩によって形作られているのです。まさに神秘の石灰岩ですね。

などと、肌寒い中で書いていると心から沖縄へ行きたくなります。

いかがでしょう?海やリゾートではなく「石灰」を見に沖縄へ。きっと楽しい旅になるはずですよ。