「現代の名工」は1967年各界の技能水準向上のために創設されたもので、毎年秋に150名が選ばれています。様々な分野からの名工が選出されていますが、発表資料より、「漆喰」に関連する方々を抜粋してご紹介します。
今年も3名の名工が選ばれました!!
お名前 | 技能功績の概要 |
竹内 紀雄 さん | 細木や竹を自在に括り付けた下地に、色鮮やかで独自の漆喰仕上げを施すことで、様々な模様を描き出す装飾技術に秀でた左官技能を有している。 不可能といわれた重要文化財「移情閣」の天井装飾を修復し、来訪者の左官に対する造詣を深め、関心を高めている。 また、日本左官業連合会からは技能インストラクターの委嘱を受け、後進技能者の育成・指導にも貢献している。 |
品川 博 さん | 左官仕上げによるセメント造形鏝絵技術において卓越した技能を有している。従来の漆喰屋土に代わるセメントモルタルを用いた鏝絵技術を考案した。 セメントは漆喰に比べて凝結が早く、鏝絵のように時間をかけて施工する装飾的技法には不向きであるが、凝結時間を鏝さばきで調節し、硬化後の不具合を改良する独特な装飾的技法を開発した。 また、左官業界全般の後継者育成、指導に努め、セメント鏝絵技法の普及に貢献している。 |
大久保 雅一 さん | 左官の世界で、建築装飾として江戸時代後期から明治時代にかけて伊豆の長八により完成された彩色漆喰による鏝絵に、日本画の技法である「没線描法」(朦朧体)と塗装法であるエージング工法を融合させ、独自の鏝絵を完成させる。 またその技術に加え、様々な技法を駆使した文化財等の復元は、製作当時そのままの姿の再現と評価されている。それらの技術を惜しげもなく若年技能工や学生に伝授している。 |
ご紹介させていただいた3名の左官さん、そして他の受賞者の方々、本当におめでとうございます。今年も左官の技術に秀でた方々が選ばれたこと、とてもうれしく思います。