100年経っても残っていますように

2013/10/25

提起

t f B! P L
少々強引な比較ですが、霞が関ビルと法隆寺。
100年後に残っているのはどちらだと思いますか?




我が国初の超高層ビルと、最古の木造建築。100年後の我が国にどちらが残っているか?
それが「建築」の答えなのかもしれませんね。

ただし、いずれも残すための作業が必要なのは同じことです。

さて、「何度も言わなくても分かってる」と笑われそうですが、漆喰には木が良く似合います。
木の色と漆喰の柔らかい白。それは住空間をとても穏やかな雰囲気にしてくれます。


最近はやりの洋風のデザインであったとしても、こんなカンジ。互いを引き立てあうことができる素敵な素材だと思っています。


何事にも共通して言えることですが、モノには相性というものがあります。
  
 木と漆喰…実は共通点があるのです。
  
木は樹木として生育している間、光合成を行っています。空気中の二酸化炭素を吸って、酸素を吐く…大きくなればなるほど木はその内部に炭素を蓄えていくのです。


それが木材として住まいに使われています。

そして乾燥が進むに従って、徐々に強度を増していきます。
木は切られてから100年後くらいから最も強くなるといわれています。

100年前に新築された住宅があれば、それに使われた木材は今まさにベストの状態であるわけです。

一方、消石灰を主成分として造られた漆喰。
消石灰が空気中の二酸化炭素を取り込むことで固まるのです。
だから塗って乾いただけでは未完成。


木材と同様、長い時間をかけて固まっていくのです。

木と漆喰などが使われた建物は新築当時はまさに未完成。長い時間をかけ、日々の手入れが行われながら大切に暮らしていくことによって出来上がっていくもの。

だからこそ最高の相性ということが出来るでしょう。


では、現在の建物や素材は?

鉄骨などに使われた金属は錆び、朽ちていきます。コンクリートは酸性雨などで中性化することによって脆くなっていきます。ペンキなどの合成樹脂は紫外線によって分解され徐々にその強度が衰えていきます。

今の建築素材は出来上がった時が最も強い状態。 昔と今、まさに逆のモノが使われているということもできます。

言い換えるならば 「育つ建築」と「衰える建築」。

100年先に分かるであろうコタエ。
私たちの想いの通りであればと願っています。