伝統がそのまま残る オキナワの漆喰 その5

2013/06/30

おさらい

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ここのところ毎日おさらいしてきました「琉球漆喰」。

今日はその漆喰の製法についておさらいです。



琉球漆喰はワラと生石灰から作られています。

「土佐漆喰の真似をした?」と云われることが多いのですが違います。

 

もっとも有名な?首里城は13~14世紀ごろのもの。

土佐漆喰は幕末から明治と云われていますから、漆喰は琉球の方が古い。

 

沖縄は中国文化の影響が色濃く残っていた場所です。

もともと、大陸から渡ってきた漆喰。その製法は朝鮮半島経由のものと中国から沖縄を通ってきたものの2種類が考えられます。


そんな琉球漆喰はムチとも呼ばれます。

ムチは「お餅」。出来上がった漆喰の様子や最後に石臼で突くことから、そのように呼ばれたようです。

 

なぜワラと石灰だけで漆喰を作ったのでしょうか?

海藻が取れなかったから…という説もありますが、沖縄本島の北部では角叉が採取可能とのこと。

沖縄の現地調査でも、詳しい漆喰の歴史は見つけられませんでしたので、なんとも言えないのですが、とりあえず海藻を利用した漆喰が使われた歴史はなさそうです。

 

さて、そんな琉球漆喰の特徴的な作り方を学んでみましょう。

 

まずは塩焼きの生石灰と切りワラを混ぜたものと水を用意します。

 

で、おもむろに水を投入。

 

すると、生石灰と水が反応を始めます。

ブクブク沸騰し始めているのが分かりますか?

 

 

…ここから、しばらく安全な場所に逃げます。

 

なぜかというと…爆発的に反応するからです。

湯気と飛沫が数メートル舞い上がり、

時折、未反応で残っていた部分が突如反応するとボンッと爆発して、

煮えたぎる材料がはじけ飛びます。

 

だから反応の様子は近寄ることが出来ず、撮影不可能

 

これが冷えた表面。激しい沸騰の跡が良くわかります。

 

 

漆喰が冷めたら、ワラが擦りつぶれるまで、ペッタンペッタンと臼で突きます。

あとは、これを熟成させて…

 

最終的にココまで黄色くなるわけです。

黄色は全てワラから出た色。

土佐漆喰と同じく、紫外線にさらされることで少しずつ色が褪めていきます。

 

 

私にとって沖縄の大好きな風景は、青い空、赤い瓦、そして漆喰。

 

この文化は是非残して続けていただきたいです。

そのためにも残していかねばならないのが琉球漆喰とその製法。

…失われつつあるのです。