端材、間伐材という伝統素材

2012/09/14

伝統素材

t f B! P L

とあるお店で食事した時のこと…割り箸なのに“しっくり”来るんです。

 

手触りといい、バランスといい、しっくりと。

「何だ?この箸??」と箸袋を見てみるとなかなかのオコトバが書かれていました。

世界遺産 吉野熊野古道の箸

世界遺産吉野熊野山林の杉の端材・間伐材を有効利用して作られたこのお箸は安全安心な日本製です。

天然の素材は健康にも良く、森林資源の再生と育成に役立つ自然環境に優しい製品です。

ご使用後は箸袋に納めてお持ち帰りいただき

水洗いしていただけましたらご家庭でもご使用いただけます。

お箸は大切にお使い頂ければ幸いに存じます。

宮内庁御用達 箸勝本店 謹製 

なるほど~。と納得です。

 

一方でマイ箸運動というものがありますが、森を山を健康に保つためには手を入れることが必要なんです。逆に手つかずの原生林というものはごくごく僅かであること、あまり知られていませんね。

「割り箸が環境を破壊する」というオハナシの原因は、中国などからの輸入割り箸が発端。日本古来の割り箸は端材や間伐材などの不要となった木材の再利用であったものが、輸入品は箸のために木を切っていたのです。

さらには割り箸の変色とカビを抑えるために漂白剤や防カビ剤に漬け込むという念の入れよう。「水槽に割り箸を入れると数日後に金魚が浮く」というオハナシ、聞いたことはありませんか?それだけの薬剤が含まれているのが通しているんですね。

 

実は私もマイ箸、持ち歩いています。それを使うのは…安全な「ちゃんとしたお箸」が無いとき。

古い数字ですが、国内で消費されている割り箸は約250億膳といわれています。(お箸は1組で一膳と数えるんです。念のため。)そのうち国産品は5億膳程度。ということは約98%が安全かどうか分からない輸入割り箸ということになりますね。レストランなどでプラスチック箸が使われるようにもなりましたが、それはそれで何となく嫌なときがあります。

 

とにもかくにも、ちゃんとした割り箸が再び私たちの手元に帰ってくるよう、山を守る方を応援して行かねばなりませんよね?山から私たちの食卓まで、全てが繋がっているんです。それが我が国古来の伝統素材。しっかりと守っていきましょう。