残念ながら様々なマゼモノが行われているのが我が国の建築材料…。
とこれまでに何度かオハナシしてきました。
が、なかなかご理解いただけないのもこのオハナシ。
と、いうわけで今日も繰り返しこのオハナシです。
土や漆喰。
天然素材として考えられているこれらの材料ですが
場合によっては各種の補助材料が加えられていることが少なくありません。
が、もともと「土」や「漆喰」は左官さんが自分で造っていた材料なんです。
それも「水で練ったら出来上がり」ではなく、手間暇をかけて。
海藻のりを炊き、麻すさを叩きほぐして混ぜ入れ、少しずつ消石灰を練りこんでいく…
といった具合に左官さん自ら、丁寧に時間をかけて材料作りから行っていたのが
本来の左官現場の姿だったんです。
そうして造られた漆喰だけを「本漆喰(ほんじっくい)」と呼びます。
素材自体が手に入りにくいのもありますが、費用もかかるんです。
最近は文化財等でしか見られないようになってきましたね。
ちなみに「麻すさ」。
もともとはコレも左官さんが自ら作っていた材料です。
手間暇をかけてしっかりと材料作りから行うのが我が国の建築の本来の姿のはずです。
が、手間暇をかけられないのであれば…
それぞれの素材のプロに頼む代わりに、お金や苦労を払うしかないですよね。