海と漆喰

2012/04/19

伝統素材

t f B! P L

西日本では桜はほとんど終わってしまいましたね。

お花見の宴会や行楽も一段落。

 

では、次の行楽は? …海辺ならしばらくはコレですね。

 

潮干狩り。アサリなどの貝を採るんです。

 

 

千葉県千葉市の遺跡で最古の漆喰が見つかった…

と報じられたのが2011年3月のことでした。

4千年前の遺跡。中国エジプトに迫る古さです。

 

同市緑区の大膳野南貝塚で見つかったこの漆喰、

当初は細かく砕いた貝を水で練って敷き詰められたもの…とのこと。

 

貝塚(かいづか)はご存知ですよね?

海辺で生活していた古代人のゴミ捨て場です。

 

食用に採った貝の殻が大量に捨てられたところが

現代になってゴミ捨て場遺跡になって現れたわけです。

小学校の社会の授業で習いましたね。 

焼き大あさり (grilled Japanese littleneck Manila clam)
焼き大あさり (grilled Japanese littleneck Manila clam) / norio_nomura

 


現在しっかりとした定義があるわけではないのですが

漆喰は水で練られた消石灰(水酸化カルシウム)が

炭酸ガス(CO2)と反応して硬化するものと考えられています。

 

ってことは貝を潰して粉にしただけのものは炭酸カルシウム。

固まらないから漆喰とは呼べないな~と、昨年思っていました。

 

で、先日のニュース。

「焼いて粉末状にした貝殻を水や土と混ぜたもの」なのだそうです。

焼いた貝は酸化カルシウム。水と反応すれば立派に消石灰になるんです。

実際、現在でも文化財の修復などに「貝灰」として用いられています。

 

 

さて、この「漆喰」なるもの、分類上「漆喰」と認めるべきなのか?

 

 

ワタシの今後の注目はそこにあります。

 

石灰と土を混ぜて固める技術は古墳でも用いられてきました。

土に石灰を混ぜることで硬く締まるんです。

現在でも土木工事などで多く用いられていますし、

田んぼのあぜ道の補修にも使われたりしています。

 

ただ石灰と土を混ぜたものを「漆喰」と呼んでいいものなのかどうか…。

これから学者先生方がお決めになることですね。

 

…個人的には、「ちょっと違うよね」と(笑)