フレスコ画をご存知ですか?

2011/10/15

指定なし

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フレスコ画の話です。

西洋の漆喰?、石灰モルタルが使用された絵画の技法です。

 

フレスコ画とは西洋の絵画技法のひとつです。

最後の審判などルネサンス期の壁画、天井画はほとんどがフレスコ画だといわれています。

 

栃木県石灰石工業会館のフレスコ画「祥雲図」

 

どんなものか簡単に説明しますと

 

1.石灰モルタルを塗る

2.生乾きの時に、顔料を水で溶いたもので絵を描く

3.乾いたら出来上がり。

 

単純ですがかなり難しいものですよ。

 

絵の具と違い、重ね塗りして修正できませんし、

下地の石灰モルタルの乾き具合に合わせて塗らねばなりませんし、材料の調達も難しい。

 

でも、やってみたいという方多いですよね。

 

さて、フレスコ画の本番です。

フレスコ画の下地に使われる石灰モルタルはすごく単純なもの。

消石灰と砂を混ぜるだけ。

 

ただ、石灰と砂の配合比は砂の種類や下地などによって

結構調整が必要です。固さ調整は水加減で。 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

モルタルを下地に塗りつけます。

左官材と比べるとちょっと硬めですね。耳たぶくらい?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

で、おもむろに絵を

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

描かずに、下絵を描くのです。あらかじめ用意しておいた下絵をモルタルにのせて写し込みます。

上の写真は下絵に線香でたくさん穴をあけ、その絵の上から顔料入りのタンポでトントン。すると点画の下絵が出来上がります。

 

で、描く。ただし、絵の具は使いません。顔料だけ。つまり色の粉。これを水で溶くだけで描きます。そして石灰モルタルに吸い込まれることで絵になります。「なんだか染め物みたい」と言ってる人もいましたね。

 

絵を描ける時間はモルタルが生乾きの間だけです。乾いた状態のほうがよく吸いこんで…と言われますが理由があるのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

未乾燥の石灰モルタルに顔料がのせられます。

石灰モルタルからは石灰の主成分、カルシウムがたっぷり溶けた水が浮きます。カルシウムが透明の結晶を作り、のせられた顔料を包み込むのです。 だから昔の絵画もキレイなまま残っているわけですね。

 

これが、絵の具だと?顔料を溶いた油やニカワなどが傷むと剥げてしまいます。

ちなみに古代からの贈り物、約2万年前の壁画、 アルタミラやラスコーの壁画は天然のフレスコ画といわれています。鍾乳洞の石灰質の岩肌に描いた絵がそのまま石灰分にコーティングされたわけですから…。