台風銀座で耐える漆喰

2011/09/02

伝統素材

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台風12号が四国に上陸…

今日は土佐漆喰についておさらいです。

 


 

土佐漆喰。

名前の通り土佐、今の高知県で伝統的に作られ塗られてきた漆喰です。

 

高知県は現在も日本有数の石灰の産地。

近世より「土佐灰(とさばい)」は良質な石灰とされ、近畿一円を中心に使われてきました。

 

ただ、土佐漆喰自体の歴史は比較的新しいものですね。

幕末から明治初期に出来上がったとされています。

岩崎弥太郎や坂本龍馬の時代…というと分かりやすいですね。 

 

さて、土佐漆喰は日本建築学会発行のJASS15にて

「3か月以上発酵させたワラと消石灰を練り合わせ、さらに1カ月以上熟成させたもの」

とされています。

 

まずワラを用意して3か月以上発酵させ…

 

消石灰と混ぜて1カ月。

 

 


そうなんです。

土佐漆喰はワラと消石灰と水だけで作られるのです。

 

「本漆喰」との違いは

ワラが発酵して繊維がバラバラになったものが麻すさの代わりに。

発酵して溶けだしたワラの成分などが海藻のりの代わりに。

 

そうして漆喰となるわけですが、さらにもう一味必要なのです。

 

土佐漆喰には土佐漆喰の技が必要です。

ちゃんと材料を使いこなし、ちゃんと仕上げられる腕が必要なのです。

 

だから、伝統技術に忠実な土蔵でも、

 

近代的な住宅においても、その重厚感に圧倒されるわけなんですよね。

 

雨風厳しい気候に耐えられるよう、磨かれてきたその素材と技術。

土佐灰の伝統をベースに革新が加えられた、素晴らしい漆喰だと思います。