蘭奢待(らんじゃたい)。
ご存知ですか?
パソコンで「らんじゃたい」と打ってみてください。
辞書設定がちゃんとしていればちゃんと変換してくれるんです。
日本の歴史に出てくるのがこの蘭奢待。
簡単に言えば我が国で最も有名な「香木(こうぼく)」です。
香木とは読んでそのまま、香になる木。
白檀(びゃくだん)や沈香(じんこう)などが代表的なモノですね。
蘭奢待ははるか昔から国の宝。
だから誰でも利用出来たものではありません。
足利義満、足利義教、足利義政、土岐頼武、織田信長、明治天皇など
歴史上の権力者が切り取ったことで知られていますね。
この蘭奢待、奈良の東大寺、正倉院に保管されている有名な香木です。
正式な名称は黄熟香(おうじゅくこう)。
それを雅名=「風流な呼び名」として蘭奢待と呼んでいるわけです。
しかし、何故「蘭奢待」と?
その種明かしは漢字をよ~く見てみましょう。
蘭奢待
蘭 →東
奢 →大
待 →寺
それぞれの文字にそれぞれ東大寺の文字が隠されています。
雅な名前ですね。
ちなみに「香木」がなぜ出来上がるのか?
実は樹木の生きるチカラによるものなのです。
ある種の木が傷ついたり虫に食われたりすると
そのカラダを守るために多量の樹脂を分泌します。
その部分が香木として使われているわけです。
「樹脂」はヤニとも呼ばれますね。
その木の樹脂の臭いがそのまま芳香となったもの、それが香木なのです。
ちょうど頃よく夏休み。
クヌギの木に傷をつけると…そこに樹液(樹脂)が分泌されて集まる集まる。
(c) kiki|写真素材 PIXTA
カブトムシなどが好む匂いを発することで樹液を吸いに集まるわけです。
さて、話題は戻って蘭奢待。
今回で63回を迎える正倉院展で公開されることが決まったそうです。
今年の正倉院展は10月29日から11月14日の間。
一目ホンモノを目にしてみたいものですね。