今日はその漆喰の中でも伝統製法で作られる「本漆喰」について説明します。
本漆喰とは?
現場で炊いたのりに麻スサなどを加え、更に塩焼き消石灰を加えて練り上げたもの。
…ということだけでは予備知識のない方にはさっぱりですね。
のりを炊く、その「のり」はこのような海藻を
こうして煮溶かして作ります。
で、網で漉す。
地域や漆喰の種類によって、海藻の種類やのりの濃さ、温度や炊く手順は異なりますがおおむね上記の通り。
で、出来上がったのりに「麻すさ」(麻の細かい繊維)や
消石灰を加え、練り上げれば一応は出来上がり。
使う材料は、石灰と麻と海藻、そして水。
これらだけで手間暇かけて出来上がるのが「本漆喰」です。
戦国時代前後には海藻のりではなくお米の煮汁が使われていたという話も聞いたことがありますが、古墳の漆喰から海藻の胞子が見つかったことも。
とにかく古い歴史をもつ製法であることに変わりありません。
でも、のりを炊いている姿を見たことがある方、少ないですよね。昭和40年代あたりまでは漆喰の工事には必ず一連の作業は欠かせないものでした。現代では、文化財関連の工事やこだわりの左官さんが行っているだけではないでしょうか?
なぜ、そうなったのかは後日の説明で。
…お気付きですか?
本来、左官職人さんのお仕事は、塗るだけでなく自らが塗る材料を作ることも仕事だったのです。
匠の世界、奥が深いものです。
次回は土佐の伝統!「土佐漆喰」について説明します。