漆喰(しっくい)がよく分かる 

2011/04/06

しっくいQ&A

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今日もしっくい入門編です。

 

漆喰ってなぜこの字を書くの?

石灰を表す唐音(鎌倉以降に中国から入ってきた発音)の「シックイ」の当て字という説が有力なようです。もともとは「石灰」と書いてシックイと読んでたということですね。ちなみに「漆を喰う」と書きますが、漆の主成分はウルシオール。それは耐アルカリ性に優れているはずですから、喰われない…ハズですが。

 

漆(うるし)は酸やアルカリに比較的強い天然樹脂塗料です。

 

どうやって使われるの?

左官職人さんや屋根職人さんが鏝(こて)という道具を使って塗ります。

 

優れた左官さんは、平らに仕上げるだけでなく、様々な模様、細工の技術を持っています。さらには、顔が映るくらい表面をキレイにする「磨き」という仕上げ技術を持っているのです。

 

でも、最も難しいのは「あたりまえのことを狂いなく仕上げる」ことだそうです。左官さんの世界、大変奥が深いものですね。

 

 

どんな種類があるの?

大きく分けて5種類あります。

 

1)本漆喰

現場で海藻を炊いてのりを作り、?(すさ)と塩焼き消石灰をこね合わせたもの。

…粉の状態の製品は本漆喰とは呼びません。

 

2)土佐漆喰

3か月以上発酵させたワラと消石灰を合わせ、更に1カ月以上寝かせてつくられるもの。

…これも粉では土佐漆喰とは呼びません。

 

3)既調合漆喰

おそらく国内で最も多く使われている漆喰です。基本的に土佐漆喰を除く全てのメーカー製品はコレに該当します。

 

4)琉球漆喰

ワラと生石灰から作られる漆喰。土佐漆喰とは作り方が違います。沖縄で昔から使われている独特の漆喰です。

 

5)漆喰と呼べるのか判断が難しいもの

しっくい、漆喰、シックイと名のつく製品が市場には溢れています。どこまで漆喰と呼べるのか分からない中、特に判別が難しいモノ。あえてコレには触れません。

 

(この5分類、wikipediaの「漆喰」にも投稿しました。分類方法についてのご意見、お待ちしています。)

 

琉球漆喰は個人的な思い入れが強いです。スミマセン。

 

さて、次回からはいよいよ「漆喰」の製法について触れていきます。