今日もしっくい入門編です。
漆喰ってなぜこの字を書くの?
石灰を表す唐音(鎌倉以降に中国から入ってきた発音)の「シックイ」の当て字という説が有力なようです。もともとは「石灰」と書いてシックイと読んでたということですね。ちなみに「漆を喰う」と書きますが、漆の主成分はウルシオール。それは耐アルカリ性に優れているはずですから、喰われない…ハズですが。
漆(うるし)は酸やアルカリに比較的強い天然樹脂塗料です。
どうやって使われるの?
左官職人さんや屋根職人さんが鏝(こて)という道具を使って塗ります。
優れた左官さんは、平らに仕上げるだけでなく、様々な模様、細工の技術を持っています。さらには、顔が映るくらい表面をキレイにする「磨き」という仕上げ技術を持っているのです。
でも、最も難しいのは「あたりまえのことを狂いなく仕上げる」ことだそうです。左官さんの世界、大変奥が深いものですね。
どんな種類があるの?
大きく分けて5種類あります。
1)本漆喰
現場で海藻を炊いてのりを作り、?(すさ)と塩焼き消石灰をこね合わせたもの。
…粉の状態の製品は本漆喰とは呼びません。
2)土佐漆喰
3か月以上発酵させたワラと消石灰を合わせ、更に1カ月以上寝かせてつくられるもの。
…これも粉では土佐漆喰とは呼びません。
3)既調合漆喰
おそらく国内で最も多く使われている漆喰です。基本的に土佐漆喰を除く全てのメーカー製品はコレに該当します。
4)琉球漆喰
ワラと生石灰から作られる漆喰。土佐漆喰とは作り方が違います。沖縄で昔から使われている独特の漆喰です。
5)漆喰と呼べるのか判断が難しいもの
しっくい、漆喰、シックイと名のつく製品が市場には溢れています。どこまで漆喰と呼べるのか分からない中、特に判別が難しいモノ。あえてコレには触れません。
(この5分類、wikipediaの「漆喰」にも投稿しました。分類方法についてのご意見、お待ちしています。)
琉球漆喰は個人的な思い入れが強いです。スミマセン。
さて、次回からはいよいよ「漆喰」の製法について触れていきます。