漆喰とペンキ 違うモノです

2011/04/14

しっくいQ&A

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昨日までの説明で、漆喰の原料について少し知ったところで…

今日は漆喰塗料(ペンキ)の違いについて説明しましょう。

 

(分かりやすいように、漆喰については青塗料については赤で記載します。)

 

 

実は建築関係の専門家でもこれがちゃんと説明できる人、案外少ないのです。

 

その違いを説明するために知らなければいけないのがその中身。しっかり分かりやすく説明します。

 

塗料の配合は大きく4つ。

  • 樹脂   ;名前の通り、油です。乾いた後、膜になる成分。
  • 顔料   ;色を付けたり、厚みを付けるための粉。
  • 溶剤   ;上の2つを溶かすための液体。シンナーや水。
  • 添加剤  ;塗りやすくしたり、品質を安定させたりさせるためのもの。

 

これらが混ざり合ったものを塗ると、乾いた後には色の粉が混ざった油の膜が残りますね。これが塗料です。

 

 

漆喰の配合も大きく4つ。

  • 石灰    ;9割以上が石灰分です。
  • 麻すさ   ;石灰の収縮や外力からのひび割れ防止のつなぎ材。
  • 海藻のり  ;作業中の保水性や材料の粘性の調整。
  •       ;上の3つを混ぜるためのもの。石灰の硬化促進。

 

漆喰を塗ると水が蒸発した後、ほぼ石灰のカタマリになるわけです。そして、石灰は空気中の二酸化炭素を吸いながら、長い時間をかけて硬化するのです。だから、塗って乾いた直後は、固まっていません。塗って1年ほど経ってから、ヒビや隙間が出来たりするのもこれが原因です。

 

なんとなく分かりましたか?

 塗料は樹脂(油)を塗るもの。

 漆喰は石灰を塗るもの。

 

だから、

塗料は塗って硬化した後が最も強く、

漆喰は時間が経てば経つほど強くなるのです。

 

塗料は油の膜ですから、水を通しませんが

漆喰は粉のカタマリですから水や空気を通しやすい。

 

塗料は樹脂の違いで性能が変わりますが

漆喰は石灰なので性能は昔から変わらない。

 

と、云うわけです。

 

 

でも、最近、漆喰風の塗料や樹脂入りの漆喰など多種多様になっていますね。

 

選択は皆様の自由です。