南蛮渡来の品物として知られているものといえば、スイカ・トウモロコシ・ジャガイモ・カステラ・メガネ・タバコなどなど。さらにカボチャ。モノの名前には様々な由来がありますが、カボチャの由来は伝えられた経緯によるといわれています。
カボチャの語源は「カンボジア」。南蛮船が戦国の世に豊後の国(現在の大分県)へ初めて伝えたのが「カンボジア」でした。きっとカンボジアから持ってきたのでしょうね。
屋根にも南蛮渡来?
さて、南蛮渡来と言えば、屋根工事に使われている材料に「ナンバン」と呼ばれるものがあります。もともとの「南蛮漆喰」とは油が混入され耐水性を増した漆喰のことを指したようです。
今でもモノの本では南蛮漆喰=屋根用漆喰とされているのですが、現在市販されている「南蛮漆喰」は漆喰ではなく、粘土系の屋根資材として「ナンバン」と呼ばれているものがほとんどのようです。
いまのナンバンは南蛮漆喰ではない
いわゆる「ナンバン」は屋根の棟土に使うために粘土に石灰や樹脂を混ぜたもの。硬化剤や撥水剤が混入されて「漆喰仕上げが不要」などという触れ込みで販売されています。ナンバンは漆喰じゃない?!
少なくとも、伝統工法と照らし合わせれば「漆喰」とは呼び難いようです。本来は屋根土として粘土。そして漆喰はご覧の通り仕上げ。最後のフタの役割だったわけです。理由は…土は雨で流れますが、漆喰は流れませんから。
残念ながら混同して使われているケースも多いようですね。
また、セメントが代用されていることも少なくありません。
それだと屋根の小屋裏からの湿気…抜けきれませんよね?!
屋根に必要な機能は「雨水は防いで水蒸気は抜ける」こと。昔ながらの瓦であればなおのこと。樹脂製品やセメント製品はオススメできません。