現代の名工 2021

2021/11/24

よもやま

t f B! P L
11月8日、今年も厚生労働省より各分野で優れた技能、業績を持ち、その道の第一人者とされる「現代の名工」に選ばれた方々が表彰されました。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_21875.html



「現代の名工」は1967年各界の技能水準向上のために創設されたもので、毎年秋に150名が選ばれています。様々な分野からの名工が選出されていますが、今年もその発表資料より、左官に関連する方々を抜粋してご紹介します。

今年は3名の名工が選ばれました!!
お名前技能功績の概要
黒栁 保夫 さん三河地方で古くから伝承されてきた三河漆喰の施工において卓越した技能を有し、地域の気候に応じて材料配合に工夫を凝らし、亀裂を生じさせず美しく仕上げることができる。この技能を生かし、国の重要文化財である名古屋市市政資料館の修復工事に携わるなど文化財の保護にも寄与してきた。また、長年技能検定委員や認定職業訓練施設における講師を務め、後進の指導育成に尽力しているほか、ものづくりマイスターとして子供たちに左官の魅力を伝えるなど技能振興にも貢献している。
林 正信 さん伝統の技能でも特殊な擬木、研ぎ出しなどを得意とし、三和土仕上げでも評価を得ている。幅広い技能を持ち、伝統工法から現代工法まで多岐にわたる工事の施工実績を持ち、手間と工期と熟練度が求められ施工できる技能者が限られるなか、氏の技能は業界でも高く評価されている。また、京都府左官技能専修学院の指導員として長年若年技能者の指導にあたり、多くの修了生を送り出している。
荒木 富士男 さん擬石洗い出し工法において、洗い水を大幅に抑える刷毛洗いを考案し、生産性を三〇%向上、汚水を四五%減らすことに成功した。また、日本の材料では制作が難しかった人工大理石仕上げを、材料の研究と継ぎ目補修工法を工夫することにより、日本で初めて完成させた。これまでに、京都桂離宮をはじめ福岡県公会堂貴賓館、福岡城大手門、筥崎宮本殿、宗像大社辺津宮本殿、宇佐神宮本殿など、多くの国宝・重要文化財の修復に携わってきた。

今年も左官の技術に秀でた方々が選ばれたこと、とてもうれしく思います。
ご紹介させていただいた左官のみなさん、そして他の受賞者の方々、本当におめでとうございます。