この屋根瓦、何年前のものでしょうか?
現役最古の瓦屋根
我が国に遺されてきた歴史ある建物。そのほとんどが瓦葺きですね。その中でも我が国で現役最古といわれるのが写真の奈良・元興寺さんの瓦。
じつは現役で飛鳥時代の瓦が使われているんです。
想像つきますか?飛鳥時代。1400年前に作られた瓦なんです。
西暦588年、百済から四名の瓦博士が渡来して、瓦の製法を伝え、作られたのが法興寺。
「仏法を興隆する寺」の名の通り、我が国最古の寺院。
ところが実は、平城遷都の時に、その法興寺も平城京に遷されたんです。
それが今の元興寺さん…というわけです。
お分かりになったでしょうか?
元興寺さんは、1400年前の飛鳥時代に我が国へ伝えられた技術とその姿そのままが残されている、まさに我が国のタカラなんですね。
ちなみに…瓦なら何でも千年以上使えるということではありませんよ。あしからず。
スレート瓦、セメント瓦など、焼き物でなく、塗装仕上げされている瓦は残念ながら長持ちしないようです。