共通しているのは漆喰の主成分は石灰であるということ。
では、この白い粉、どうやって作るのか?
今日はその作り方を説明しながらおさらいです。
石灰のつくりかた
これが出来上がった消石灰。
どんな原料でどんな製法でつくられているのでしょう?
原料は岩
石灰石は石灰岩の鉱山から。もともとそのほとんどが海の底だった日本。各地に石灰鉱山があるんです。
まずはダイナマイトでド~ンと岩山を爆砕。
それらが、焼きやすいサイズに砕かれたものが使われています。
岩から石へ。大きさは大人のコブシくらいですね。
石を焼く
まずは石灰石を焼くのですが…「焼く」には燃料が必要ですね?
左官に使われる石灰を造る際には石炭やコークスが使われています。
石焼きの窯
左官に最適といわれている石灰を焼くには、江戸時代あたりから伝えられている土中釜(どちゅうがま)というものが使われます。その名の通り、土の中に埋まっている窯穴に、石灰石と燃料とを交互に投入して焼いていきます。石を焼く温度は900度から1000度くらいです。
塩を入れて焼く
そして忘れてはならないのが「塩」です。石を焼く際に、塩を加えることで石灰石が収縮しにくくなるほか、還元効率が高くなるのと不純物を取り除くことができます。
石と燃料そして塩を何層にも重ね、竪穴状の窯の中で自然通気でゆっくりゆっくり焼くんです。
石が焼けると生石灰になる
3日ほど経って、焼成熱も冷めたところで取り出します。焼けた石は白くなりましたね。これが「生石灰(きせっかい)」です。
生石灰を消石灰に
さて、焼いた後、今度は水を使います。焼けたカタマリに水をかけると…あーら不思議。高熱を出しながら壊れていきます。
生石灰が水と反応して化学変化を起こし、消石灰に変化しているんです。
子ども石灰教室でも大人気の瞬間です。
反応が終わったものをふるい分けして、不純物を取り除いたり粒を揃えたりして、出来上がったのが消石灰です。特に今まで説明した製法で作られるものは塩焼き灰と呼ばれます。
塩焼き石灰は伝統素材
実は石灰は我が国が自給している数少ない鉱物です。全国ほとんどの都道府県で産出され、生産されているのですが、残念ながら全国各地で工業的に大量に生産されている石灰は、漆喰には不向きなのです。左官用に作られている、この伝統的な塩焼き石灰の生産は国内数か所、ごくわずかの量です。ただ石を焼けば原料が出来上がるわけではないのですね。昔から伝わる「塩焼き」の技法が必要。
これもまた、大切に守っていかねばならない伝統素材の一つです。