全ての漆喰が「漆喰」とは限らない

2019/10/28

おさらい

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「日本三大漆喰」などと戯言を語っている私ですが…


漆喰について最も良く読まれているサイト…やはりダントツでwikipediaですね。
そこから「漆喰」の種類について抜粋しました。
我が国における漆喰は現在、大きく5種に分けられる。

●本漆喰
旧来漆喰とされてきたもの。現地にて昔ながらに海藻を炊いてのりを作り、麻すさと塩焼き消石灰を混合して作られる。

●土佐漆喰
3ヶ月以上発酵させた藁と塩焼き消石灰と水を混合し、1ヶ月以上熟成させたもの。そのため藁の成分が発色し、施工直後から紫外線で退色するまでは薄黄~薄茶色の姿に仕上がる。練り状の製品しか存在しない。

●既調合漆喰
いわゆる「漆喰メーカー」が製造した漆喰製品。一般に塩焼き消石灰と麻すさ、粉末海藻のり、炭酸カルシウムなどの微骨材が配合された粉末製品。水を加え練ることで漆喰として使用される。近年では海草のりに加え、合成樹脂を使用した製品や、化学繊維を使用した製品、顔料を混ぜて色をつけた製品もある。また、練り置き済み製品も存在する。

●琉球漆喰(ムチ 沖縄方言で餅の意)
藁と生石灰を混合したものに水を加え、生石灰に消化加熱反応を起させることで藁を馴染ませ、さらにそれを擂り潰し熟成させたもの。土佐漆喰に比べ藁の混入量が多いため、紫外線で退色するまでは濃黄~薄茶色の姿に仕上がる。練り状の製品しか存在しない。沖縄の屋根瓦工事を中心に用いられる。

●漆喰関連製品
近年上市されている、漆喰の機能を有するとされる塗料や海外製の消石灰が配合された塗り壁材など。現状は既調合漆喰との区別をする規定がない。

上記5種以外に、本漆喰から派生した地域独特の漆喰が存在する。(肥後漆喰など。)

- Wikipedia「漆喰」より -

これらが何を言わんとするか…分かりますかね?
市場に溢れる「漆喰」の全てが全て「皆さんの望む」製品ではないということです。
(ちなみに…Wikipediaのこの部分、私が書いたんですけど。)

ほとんどの方が「漆喰」でイメージしているのは上記の分類でいう「本漆喰」でしょうね。
しかしそれは文化財など、特殊な現場でしか見られないモノになっています。

平城宮大極殿。ココは本漆喰で塗られています。 


そして何度かご紹介した「土佐漆喰」と「琉球漆喰」。
昔からの伝統そのままの漆喰はこれら3種しか無いといっても過言ではないのです。

 「じゃ、今、工事現場で使われている漆喰は?」という疑問が生まれるでしょうね。

そんな時こそ「でんでん協会」!!

伝統素材の悩み、解決します。
分かることを分かる範囲でお話させていただいています。


何度も言います。「あなたの常識、非常識ですよ」